《多汗症》夏に気になる…わき汗・手足の汗・頭の汗・におい ※ラピフォートワイプ・エクロックゲル追記
わきの多汗症に
塗り薬の『エクロックゲル』『ラピフォートワイプ』が登場し、治療の選択肢がさらに増えました!!👏👏👏
これらの登場に伴い記事も新しくしました~💗
こんにちは
急に暑くなってきましたね!🌞
この季節から急に気になってくるのが《多汗症》によるわき汗・におい…
わきだけでなく足や頭皮のにおいも汗が原因の一つとなっています。
市販のスプレー剤や汗取りパット、気合い💪などで頑張っているという方が多くて
クリニックで治療ができることあまり知らない方が多いのではないでしょうか??
ところが、実は日本皮膚科学会から『原発性局所多汗症診療ガイドライン』にもあるようにその治療はしっかり確立されているのです❢❢
今回はあまり知られていない《多汗症》について、症状、治療などを紹介していきます✨
今回お話する多汗症は『何かもとになる病気などがないもの』つまりはっきりした原因がないもの、についてとなります。
もちろん、疑いがある場合は多汗となる病気がないか、最初に検索いたします。
※原因のない多汗症には遺伝的な要因が関わっていると考えられています。
目次
治療
多汗症は特に手足・わき・カオ・頭に症状が出やすいです。
その程度は??
多汗症の診断の基準には『多汗によって日常生活に支障をきたすこと』という項目がありますので、
発汗の程度に関わらず本人が苦痛であるならそれは多汗症として治療すべきである、と言えると思います。
以下は目安です。
手足・・・緊張時に発汗する部位です。常に湿っている、水分により手足が冷たい、書類がしめる程度
わき・・・暑さ・緊張の両方で発汗します。衣服に汗じみができる程度
カオ・頭・・・緊張時や熱い物を食べたときに発汗します。男性に多い部位です。滴り落ちるくらいの汗を認めることもしばしばある
このような症状が週に1回以上・一部位でもある場合は多汗症を疑ってもいいと思います。
そして大切なのはこれ未満でもご自身で苦痛を感じているならご相談してほしいということです。
多汗症は若い方で発症するため社会的生活に支障をきたすケースが多く、恥ずかしさなどから精神的に苦痛を感じ悩んでいる、ということが言われています。
一方、多汗は体質ととらえ、クリニックを受診しようとは思わない、治療があることを知らない方が多いです。
これまでの調査で多汗症で受診している方は全体のたった6%程度だった、という結果も出ております。
気になったら多汗症かもしれない、と疑って相談に来ていただけるといいと思います。
😢多汗症の治療💦
エクロックゲルは原発性腋窩多汗症に保険適応がある塗り薬です。
2020年12月に処方が開始されました。
わきのみですが、手軽に始められる保険適応のあるお薬なので次のラピフォートワイプと並んで第一選択のお薬です。
副作用:皮膚炎、散瞳、霧視、口渇 など。
禁忌:閉塞隅角緑内障、前立腺肥大による排尿障害がある方など。
妊婦・授乳婦・12歳未満の小児は慎重投与
エクロックゲルについての詳しい記事はこちらで紹介しています。
こちらも原発性腋窩多汗症に保険適応のある塗り薬です。
2022年5月に処方が開始されました。
エクロックゲルと同様わきの汗に使用できる手軽に始められるお薬です。ふき取りタイプなのが新しい✨
副作用:皮膚炎、散瞳、霧視、口渇 など。
禁忌:閉塞隅角緑内障、前立腺肥大による排尿障害がある方など。
妊婦・授乳婦・9歳未満の小児は慎重投与
1日1回塗り、2~3週間で効果が出てきます。効果が出たら週2~3回の塗布を継続します。
中止すると効果はなくなりますが、簡単な方法で、どの部位にも効果があるので症状が軽い方にはおすすめの方法です。
リスク・副作用:刺激性皮膚炎など
塩化アルミニウムローション 1,500円~
効果はとても高いので、他の治療で不十分だったケースでもおすすめです。
汗を出す命令をする神経の伝達をブロックすることで汗を止めます。
わきはもちろん、頭や手足でも効果があります。
しかも1回の治療で4~9か月以上効果が持続するので、夏のみであれば年1~2回打つだけでよいでしょう。
リスク・副作用:痛み、内出血、一過性脱力(手足の場合)など
ボトックスビスタ50単位 71,500円
ニューロノクス50単位 35,000円
※注入する量に関しては汗の出る範囲や過去の注入量を目安にご提案させていただきます。
限られた施設にしか機械がないため簡便ではないですが、手・足の汗に効果があると言われています。
機械を使って電流を流すと汗の出る穴のが減る、という現象を利用した治療です。
保険でできるのが利点です。
8~12回行うと効果が出始め、その後1週間に1~2回行うと効果が持続されます。
わき・顔に対しては一般的には行いません。
(あつた皮ふ科クリニックでは取り扱っていないため紹介となります)
外用・イオントフォレーシス・ボトックスが使用できない場合などに飲み薬がおすすめです。
保険適応のあるお薬となります。
効果は他の3つよりも劣りますので、他での治療の補助として考えるのがいいでしょう。
禁忌:閉塞隅角緑内障の方、前立腺肥大による排尿障害のある方、心疾患のある方など
副作用:眼調節障害、頭痛、めまいなど
😢最後に💦
これ以外にも外科的な手術や精神療法などもありますが、今回はより一般的な効果の高い治療のみの記載としました❢
原因となる病気が疑われる場合や治療の選択によっては紹介となることご了承ください。
さて、夏本番まえに一度汗のお悩みご相談ください❢
多汗症治療はあつた皮ふ科クリニックで。