● ステロイド外用薬
ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎の最も一般的な治療法です。
ステロイドは、アトピー性皮膚炎の悪循環を断ち切るのに有効です。悪循環を断ち切るだけで、長期間健康な肌を保つことができる方もたくさんみえます。
ステロイドに
は5段階で強さが分かれており、副作用に注意しながら部位や症状によってうまく使い分けて使用していきます。
● タクロリムス軟膏
ステロイド外用薬に代わる新しい薬で、ステロイドとは異なる作用で治療していきます。副作用が少ない点で非常に優れています。塗る量や年齢に制限があるので、実際はステロイドとうまく組み合わせて使用していきます。
0.1%成人用と0.03%小児用がありますが、2歳未満の小児には現時点では使用できません。ただアメリカ皮膚科学会のガイドラインでは2歳未満も、タクロリムスは安全で効果的であるとされており、将来的に日本でも2歳未満に使用可能になるかもしれません。
● コレクチム軟膏
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬というお薬になります。このお薬は2020年1月に新しく承認された大変新しいお薬で、ヤヌスキナーゼをターゲットにした塗り薬では世界初のアトピー性皮膚炎治療薬です。かゆみの悪循環、その一部であるシグナル伝達の『JAK/STAT経路』のヤヌスキナーゼという酵素の働きを遮断してしまいます。その結果かゆみや炎症が抑えられ、最終的には悪循環を断ち切ることができます。この機序はこれまでのアトピー性皮膚炎の外用剤『ステロイド』『プロトピック』などとは異なる機序で全く新しいお薬となります。※新しい薬のため当面2週間分の処方となります。2020年6月時点では、16歳未満の小児には処方できません。(適応がありません。)