『ある日突然、かゆみと赤いボコボコがでた』
『消えて一安心、と思ったらまた出る😭』
『痒くて寝られない💦』
そんなふうに蕁麻疹に悩まされている方いらっしゃるのではないでしょうか。
蕁麻疹は多くの場合『抗ヒスタミン薬』という花粉症なんかでも気軽に用いられるお薬でよくなります。ですが、一部の方には効果が不十分で症状が数カ月も続くケースもあるんです。
『何カ月もかゆみでちゃんと眠れない』というのは本当につらいですよね・・・
今回はそんなつらい症状に打ち勝つべく、難治性の慢性蕁麻疹のための注射薬『ゾレア』について解説!
『抗ヒスタミン薬を使用しているけど、実はまだ痒い』という方必見です!!
目次
ゾレアが使える!慢性特発性蕁麻疹とは?
蕁麻疹は『膨疹』と呼ばれる少し盛り上がった赤みのある皮疹で痒みを伴います。
5人に1人は生涯のうちに一度は蕁麻疹になる非常によくある病気です。
ある日突然出るのでびっくりしますよね!また、そのほとんどが原因不明の特発性です。

原因が特定できない「特発性蕁麻疹」
蕁麻疹には原因が分かっている場合とそうでない場合があります。
よく「蕁麻疹は食べ物や触ったものに対するアレルギー」と思われていることがありますが、実は原因が特定されるものは全体の1割程度と珍しいタイプ。
刺激誘発型蕁麻疹:食べ物や薬、寒冷刺激、日光など特定の条件下で出る蕁麻疹
特発性蕁麻疹:原因が不明。慢性と急性に分かれる。
長く続く「慢性蕁麻疹」
特発性蕁麻疹には症状の継続期間で2種類に分けて考えられています。
急性特発性蕁麻疹:6週間未満で消失 風邪などがきっかけとなる場合が多い
慢性特発性蕁麻疹:6週間以上継続 長期間生活に支障をきたすので治療による十分なコントロールが望まれる
慢性蕁麻疹治療薬「ゾレア」の使いどころ
慢性特発性蕁麻疹の治療の進め方
慢性特発性蕁麻疹の治療の基本は「抗ヒスタミン薬」ですが、症状に応じて薬を追加します。
| 治療ステップ | |
|---|---|
| Step 1 | 抗ヒスタミン薬を使用する(量を増やす、2種類を組み合わせるなどの工夫も) |
| Step 2 | H2ブロッカー薬、抗ロイコトリエン薬などの補助的治療薬を追加する |
| Step 3 | Step 1・2で効果が十分でない場合、「ゾレア」「デュピクセント」など、異なる作用機序の薬を追加する |
※ゾレア以外にも治療選択肢はあります。詳しくはこちら
薬を使っても蕁麻疹が治まっていない判断とは?
「我慢すべきか」「治まっていないと先生に言うべきか」自分だったら結構迷うと思います!
どんな時には思い切って医師に言うべきでしょうか。
-
- 薬は言われた通りに飲んで1~2週間経過するがかゆみや膨疹を繰り返している
- 元よりはいいが、まだ痒みで寝つきが悪い、または仕事に集中できない
- 膨疹が出て見た目が気になる
慢性蕁麻疹の治療選択肢「ゾレア」
「ゾレア(オマリズマブ)」とは
慢性特発性蕁麻疹の注射の薬です。抗ヒスタミン薬などで効果が不十分と判断された場合に使います。

「ゾレア」はどのように蕁麻疹を抑えるの?
ヒスタミンなどを放出するマスト細胞は血中のIgEがくっつくことが放出のスイッチになっています。
「ゾレア」はIgEが働かないようにする薬です。
抗ヒスタミン薬は末端で働くのに対し、ゾレアはもっと元の部分に働きます。
会社でいうと、社員さんに働きかけるのが抗ヒスタミン薬で、上司の課長さんとかに働きかけるのが「ゾレア」って感じですね。

治療開始前の検査
血液検査:合併症のチェックや薬の選択の参考にするためにIgEや抗TPO抗体、CRPなどを見ることがあります
ゾレアによる治療はどのように行う?
ゾレアは皮下注射の自己注射です。
当院では安全で患者様も使用しやすいペンタイプを主に処方します。
初回はクリニックで看護師さんが打ち方を丁寧にお伝えしながら打つので心配いりませんよ👍

4週間隔で受診していただき、症状が改善しているかどうかチェックします😃
ゾレアによる治療は、症状のコントロール状況を確認しながら継続します。治療期間には個人差があり、数か月で症状が落ち着く方もいれば、長期間の治療が必要となる方もいます。ゾレアはどのくらい効果が期待できる?
《ゾレアに関する臨床試験について》
対象:218人の慢性特発性蕁麻疹で抗ヒスタミン薬による効果が不十分と評価された方
方法:300㎎か150㎎を4週間ごとに投与して12週の経過を見た
評価:かゆみのスコア、膨疹の数
結果:かゆみスコア、膨疹の数ともに改善
1週間で蕁麻疹症状が観察されていない状態の達成率も使用しない群と比較して8倍以上でした😃
ゾレアの副作用と注意点
注射部位に赤みや腫れが出ることがあります。
薬剤に対するアレルギー症状が出ることがあります。
※気になる症状がある場合はすぐに主治医に相談してください。
ゾレアは保険診療で受けられる?費用は?
ゾレアは慢性特発性蕁麻疹に対して保険適用があります。
《費用》
通常量300㎎/月ペン型処方 3割負担 11,799円
【まとめ】抗ヒスタミン薬で治まらない慢性蕁麻疹でお悩みの方へ
ノバルティス ファーマの調査では、慢性特発性蕁麻疹の患者さんの7割以上が医療機関を受診している一方、6割以上の方で症状が十分にコントロールされていないことが報告されています。
蕁麻疹を「仕方がない」と我慢したり、治療を諦めたりしている方も少なくありません。
あつた皮ふ科・美容皮膚科クリニックでは、一人でも多くの方が蕁麻疹による日常生活への負担を減らせるよう、治療の選択肢をご提案していきたいと考えています。
「今の治療で十分なのかな?」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください👋
執筆・監修者紹介
参考文献
1.)日本皮膚科学会 蕁麻疹診療ガイドライン策定委員会.蕁麻疹診療ガイドライン 2026(第4版).日本皮膚科学会雑誌,136(4):375-493,2026.
日本皮膚科学会「蕁麻疹診療ガイドライン 2026(第4版)」
2.)清水 宏.新しい皮膚科学「蕁麻疹」.
皮膚科医 清水宏「蕁麻疹」
3.)公益社団法人日本皮膚科学会.皮膚科Q&A「蕁麻疹(じんましん)Q1」.
日本皮膚科学会「蕁麻疹(じんましん)Q1」
4.)ノバルティス ファーマ株式会社.ゾレアによる治療を受ける特発性の慢性蕁麻疹の患者さんとご家族の方へ.
ノバルティス ファーマ「ゾレア|慢性特発性蕁麻疹」
5.)ノバルティス ファーマ株式会社.ゾレア|慢性特発性蕁麻疹 医療関係者向け情報.
ノバルティス ファーマ「ゾレア|慢性特発性蕁麻疹」
6.)Hide M, Fukunaga A, Igarashi A, et al.
Efficacy and safety of omalizumab in Japanese and Korean patients with refractory chronic spontaneous urticaria.
Journal of Dermatological Science. 2017;87(1):70-78.
doi:10.1016/j.jdermsci.2017.04.006.

