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皮膚科と美容皮膚科の違いとは?どっちに行けばいい?

皮膚科専門医のいるクリニックを選ぶべき理由

「シミを取りたいけど、アトピーもある…」
「薬を飲んでいても、美容レーザーはできる?」
「ほくろだと思っていたら、悪いものかもしれないと言われた」

このような経験をお持ちの方は、実は少なくありません。
美容クリニックと皮膚科クリニックは、表面上は似て見えて、実際には診られる範囲が大きく異なります。
そして、その違いが安全性や治療の質に直結することがあります。

今回は「皮膚科と美容皮膚科はどう違うのか」「どっちに行けばいいのか」という疑問に答えながら、両方を備えたクリニックだからこそできることをお伝えします。

1. 皮膚科と美容皮膚科の違いとは?

皮膚科と美容皮膚科の最も大きな違いは、治療の目的です。

皮膚科(一般皮膚科)は、湿疹・アトピー・ニキビ・水虫・帯状疱疹・できものなど、皮膚の病気や疾患を診断・治療することを目的とした診療科です。保険診療が中心で、日本では皮膚科専門医という認定資格があり、大学病院での数年間の研修と試験を経て取得できます。

美容皮膚科は、シミ・シワ・たるみ・ニキビ跡・毛穴・赤ら顔など、「病気ではないけれど気になる」肌の悩みを改善し、美しさを追求することが目的です。

保険適用外の自費診療が中心となるため、最新のレーザー機器や注入治療など幅広い選択肢があります。
重要なのは、美容皮膚科に対応する公的な専門医資格は現時点では存在しないという点です。

医師免許さえあれば、皮膚科の専門トレーニングを受けていない医師でも「美容皮膚科」を開業できるのが現状です。
美容専門クリニックの技術力は高くても、皮膚疾患の診断力や薬の知識が十分でない場合があるのは、業界全体の課題でもあります。

  皮膚科(一般皮膚科) 美容皮膚科
♦目的 皮膚の病気を治す さらなる美しさを目指す
♦保険 保険適用 原則自由診療
♦対象 アトピー・湿疹・ニキビ・水虫など シミ・しわ・毛穴・たるみ・ニキビ跡など
♦専門資格 皮膚科専門医(認定資格あり) 専門資格なし
♦診断力 皮膚疾患の診断
ダーモスコピー、顕微鏡等による正確な診断
施術者により異なる
♦薬の知識 内服薬・外用薬・注射薬・免疫抑制剤など幅広い薬の知識あり 施術者により異なる

 

2. 「どっちに行けばいい?」の答え

よくある症状別の目安をお伝えします。

まずは皮膚科へ
・ かゆみ・赤み・ただれなど炎症がある
・ アトピー性皮膚炎・湿疹・じんましんがある
・ ニキビが今まさに炎症している
・ できもの、ほくろが急に変化した

美容皮膚科が向いている場合
・ シミ、そばかすをレーザーで取りたい(ただし癌や炎症によるシミの可能性がない)
・ ニキビ跡(クレーター・色素沈着)を改善したい
・ しわ、たるみをボトックスやヒアルロン酸で治療したい
・ 毛穴の開き・黒ずみをケアしたい

どちらともいえる場合、理想的なのが「両方を診られるクリニック」です。
皮膚科としての診断力をもちながら美容治療も行うクリニックを選ぶと、治療のタイミングや安全性の判断が格段に精度の高いものになります。

3. 皮膚トラブルがある方も、安心して美容治療を受けられる

アトピー性皮膚炎・酒さ(赤ら顔)・脂漏性皮膚炎・接触皮膚炎(かぶれ)など、何らかの皮膚トラブルを抱えながら美容治療を希望される方は多くいらっしゃいます。

美容専門クリニックでは「炎症があるのでお断りします」と断られてしまうケースも少なくありません。また必要な検査や症状の背景の分析をせず、治療を始めてしまうこともあります。

しかし当院では、皮膚科専門医として皮膚の状態を正確に評価し、炎症のコントロールと並行して美容治療を安全に組み合わせる判断が可能です。
たとえば「アトピーがあるけれどシミをとりたい」「ニキビもあるけど、ニキビ跡の赤みや凹凸も治したい」という方に対し、治療の優先度・タイミング・照射パラメータの調整まで、皮膚科の知識に基づいた対応ができます。

4. 他の病気の治療中でも、安全に美容施術ができる

美容治療を検討されている方の中には、内科・婦人科・腫瘍科などで治療中の方もいらっしゃいます。
美容専門クリニックでは、内服中の薬の種類や全身状態を十分に評価できないことがあります。

当院では、
内服薬・注射薬・免疫抑制剤・抗がん剤・ホルモン剤など、幅広い薬の知識をもとに安全性を確認したうえで施術の可否を判断しています。

「血液をサラサラにする薬を飲んでいるがレーザーはできる?」「乳がんの治療後だが美容治療を再開していいか?」──こうした複合的な判断が必要な場面でも、安心してご相談ください。

5. 「シミの種類」「できものの種類」を正確に診断する

シミには多くの種類があります。老人性色素斑(一般的なシミ)、肝斑、炎症後色素沈着、脂漏性角化症(老人性いぼ)、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、扁平母斑……
それぞれ原因も治療法も異なり、間違った治療を行うと悪化することもあります。

代表的な例が「肝斑にQスイッチレーザーを高出力で当てる」ケースです。肝斑は通常の老人性色素斑とは異なり、強いレーザーを当てると色が濃くなることがあります。適切な診断なしに行われた治療でシミが悪化してから当院を受診される方も少なくありません。

また、「シミだと思っていたらほくろだった」「ほくろだと思っていたらイボだった」というケースも多く、ダーモスコピー(皮膚拡大鏡)による精密観察と皮膚科専門医の診断力が、正しい治療への第一歩になります。

6. 皮膚科以外の領域も熟知しているから安全

当院では、皮膚の治療にとどまらず、以下のような幅広い領域の知識をもとに診療を行っています。

赤ら顔・酒さ──膠原病の可能性も見逃さない
「赤ら顔が気になる」というご相談で来院される方の中には、美容的な問題ではなく、全身疾患が背景にある場合があります。
たとえば膠原病(全身性エリテマトーデスなど)は、顔の赤みや蝶形紅斑として現れることがあります。
こうした場合、美容治療を行う前に血液検査などで内科的な問題を除外することが非常に重要です。

当院では、赤ら顔の症状が見られた際、皮膚の状態や問診の内容によって医師が判断し、必要に応じて血液検査を行うことがあります。見た目だけを改善しようとするのではなく、「なぜ赤くなっているのか」を正しく診断することが安全な治療への道です。

がん(悪性腫瘍)の知識
皮膚の「できもの」の中には、悪性黒色腫(メラノーマ)・有棘細胞がん・基底細胞がんなど、見た目は一般的なほくろやいぼに見えても、悪性のものが含まれていることがあります。

こうした疾患を見逃さないために、腫瘍学の知識は不可欠です。

AGAの知識
薄毛治療(AGA・FAGA)では、皮膚科的な脱毛症との鑑別が重要です。「ただの薄毛」と思っていても、円形脱毛症・甲状腺疾患・鉄欠乏性貧血などが原因の場合があり、それぞれ対応がまったく異なります。

誤った治療では効果が出ないだけでなく、別の病気を見落とすリスクもあります。

7. 疑わしいものは、まず病理検査を行う

「このほくろ、大丈夫でしょうか」という相談を日常的にいただきます。
美容クリニックでは「悪性の可能性がある」と感じても、病理検査(組織を採取して細胞レベルで調べる検査)ができない場合があります。その場合、「とりあえずレーザーで取りましょう」となってしまうことがあります。

しかし、悪性の可能性があるものを病理検査なしに焼いてしまうことは、診断の機会を失うことを意味します。万一メラノーマだった場合、焼いてしまうことで進行状況の評価が難しくなるリスクもあります。

当院では、「これは念のため調べるべきだ」と判断した場合、切除して病理組織検査を行う対応が可能です。組織を細胞レベルで確認することで、正確な診断と適切な治療につなげています。

8. まとめ

美容皮膚科を選ぶとき、多くの方は「機器の種類」や「料金」を基準にされます。もちろんそれも大切ですが、「皮膚科専門医がいるかどうか」「皮膚の病気もきちんと診られるかどうか」という視点も、ぜひ加えてみてください。

皮膚はその人の全身状態を映す鏡でもあります。見た目だけでなく、安全と健康を守ること──それが、あつた皮ふ科・美容皮膚科クリニックが大切にしている医療の姿勢です。

「美容治療を受けたいけれど病気があって迷っている」「自分のシミは何種類あるのか診てほしい」「ほくろが気になる」といったご相談も、ぜひお気軽にお越しください。

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監修医師

監修者 佐々木良輔

【監修】

院長 佐々木 良輔
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
あつた皮ふ科・美容皮膚科クリニック理事長。
専門的な視点から内容を監修しています。