秋も深くなり、冬の訪れを感じますね

暖かいスープや飲み物を飲みたくなりますね。

 

そこで注意したいのがやけどです。

熱いお湯などをこぼして受傷し、当院へ駆け込む患者様が増えてきています。

今回は、応急処置も含めた対処法をご紹介!

日本皮膚科学会が作成した熱傷治療ガイドラインをもとに記載します。

目次

・やけどの分類

・救急外来受診が必要となるやけど

・よくあるやけどの対処法

・医療機関での治療内容

・最後に・・・

やけどの分類

やけどの分類はその深さで決まります。

緊急での対応が必要かどうか、痕が残るかどうか、治るまでの期間が大まかに判断できます。

 

・Ⅰ度熱傷 ・・・ 表皮のみの熱傷。見た目は赤みのみで、痕は残さず治癒する。

・浅達性Ⅱ度熱傷 ・・・ 水疱を形成。水疱底が赤色。通常 1~2 週間で治癒する。多くは痕を残さない。

・深達性Ⅱ度熱傷 ・・・ 水疱を形成。水疱底が白色で貧血状を呈している。

およそ 3~4 週間を要して治癒するが、痕となる可能性が大きい。

・Ⅲ度熱傷 ・・・ 皮膚全層の壊死。白色または褐色となったり完全に皮膚が炭化した熱傷。

治癒に 1~3 カ月以上を要し、手術が必要となる場合が多い。

 

救急外来受診が必要となるやけど

自宅などで受傷する多くのケースはクリニックレベルで対応可能な熱傷が多いものの

念のため、どのような場合には救急外来での緊急処置が必要なのか知っておきたいものですね!!

 

ポイントとしては

・広範囲の場合(体表面積の10%以上・・その人の腕1本分程度)

・Ⅲ度熱傷(深いやけど)の場合

・落雷や化学熱傷などの特別なやけど

・気道(呼吸する際の通り道)のやけどの可能性がある

これらに当てはまる場合、命に関わるやけどで救急外来での緊急処置が必要とされる可能性がありますので

すぐに受診するようにしましょう。

特に広範囲かどうかの判断は難しいことがあります。迷う場合は受診をお勧めします

 

よくあるやけどの対処法

さて、特に救急の処置が必要なさそうと判断した場合は、慌てず対処しましょう。

①洗浄

比較的軽傷のやけどの場合、まず対処するのは傷から入るばい菌への対策です。

この細菌対策に最も有効なのが水での洗浄です!!

たっぷり15分間やけど部分を水道水などの流水で、傷口に付着する菌を洗い流すようにしてください。

消毒液の使用に関しては水での洗浄と差がなかったとされ、現在は行わないことが多いです。

 

②医療機関受診

さて、ここまで対処したら、やはり医療機関へ受診しましょう。

ここからは感染症対策と、痕を残すことなく傷を治す治療を行います。

 

特に、やけどの深さは判断が困難な場合が多く、受傷当時はⅠ度だと思っても数日後から水ぶくれが出てきたり、

壊死(組織が腐ること)が出てきたりすることがあります。

 

ご自身で判断せず、医師の診察を受け、早期に正しい処置を受けることにしましょう。

 

夜間や休日ですぐに受診ができない場合・・・

大抵、医療機関が閉まっているときに限って受傷しますよね!

 

そんな時は、流水で洗い流し、さらに石鹸をしっかり泡立てて優しく洗います。

市販のワセリンを塗ってガーゼで保護し、翌日の診療を待ちましょう。

水ぶくれが破れた場合、ガーゼでは皮膚がくっつき交換時に痛いので、

応急処置としてラップで覆うようにしてもよいでしょう。

キズパワーパッドのような密閉性の高いもので覆うと、中で細菌が増殖する可能性があります。

医療機関に受診するまでは、ガーゼ・ラップを使用し、こまめに交換できるようなものにしましょう。

 

早めに受診することを忘れないでくださいね!

 

 

医療機関での治療内容

やけどの種類にもよりますが、感染予防として壊死した組織の外科的除去や外用剤、

傷の治りを早くする薬などを使用します。

痛みが強い場合は痛み止めの内服を処方することもあります。

 

もちろん、診察時に緊急処置が必要と判断した場合は、全身管理ができる医療機関への紹介を速やかに行います。

 

最後に・・・

暖房器具や熱湯の使用がますます増え、やけどには要注意です。

 

もし、やけどをしてしまっても、正しい判断で対処できるように準備しておきましょう!!

あつた皮ふ科クリニック・美容皮膚科クリニック