GLP-1ダイエットとは?

近年、GLP-1ダイエットが若い世代を中心に注目を集めています。
その主な特徴は以下の通りです。
GLP-1ダイエットの4つの特徴

Point1 無理なく続けられる、健康的な減量
ダイエットで挫折しがちな原因のひとつが、過度な食事制限や我慢による精神的・身体的負担です。しかし、GLP-1ダイエットならその心配は不要です。
GLP-1は、食欲を自然に抑える働きがあり、無理なく食事量をコントロールできます。投与されたGLP-1が脳の食欲調節機能に直接作用することで、ストレスを感じることなく健康的な減量をサポートします。

Point2 痩せ型の人のホルモンバランスになれる
GLP-1ホルモンの分泌量は体型によって異なり、一般的に肥満の人は痩せ型の人よりもGLP-1の分泌が少ない傾向にあります。そのため、食欲の抑制が十分に働かず、過剰に食べてしまいがちです。
GLP-1を投与することで、ホルモンバランスが痩せ型の人に近づき、極端な我慢や厳しい食事制限をせずとも、健康的に体重をコントロールしやすくなります。

Point3 依存性や耐性が生じにくい
これまでにもさまざまな薬が肥満治療に用いられてきましたが、サノレックスなどの一部の抗肥満薬では、依存性や耐性の問題が指摘され、服用量や期間に制限が設けられていました。
しかし、GLP-1製剤は耐性が生じにくい特徴があり、他の抗肥満薬と比べても安全性が高いため、安心して治療に取り入れることができます。

Point4 世界的に広く承認されている
GLP-1ダイエットは、日本ではまだ十分に浸透しておらず、安全性について不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、世界的に見ると、GLP-1製剤は広く使用されていることがわかります。
アメリカのFDA(食品医薬品局)やEU加盟28か国ではすでに承認され、肥満治療の一般的な方法として普及しています。
日本では、GLP-1製剤は2010年にⅡ型糖尿病の治療薬として承認されており、安全性の高い薬であることが確認されています。ただし、日本において減量目的での使用は医療保険の適用外となり、自由診療での提供となるため、ご注意ください。
副作用やリスク

GLP-1を使用した治療では、初期段階に吐き気を感じる場合があります。しかし、身体が薬に慣れるにつれて症状は次第に軽減されていきます。 また、妊娠中および授乳中の方の使用は推奨されておらず、GLP-1受容体作動薬やインスリンとの併用もできません。 安全に治療を受けていただくために、あらかじめこれらの点をご理解のうえ、ご検討ください。
治療時の注意点について

少量の食事を複数回に分けて摂取しましょう
GLP-1の投与により食欲が抑えられ、自然と食事量が減少することが期待できます。しかし、これまでと同じ量を一度に摂取すると、胃の消化が追いつかず、吐き気を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
食事は無理なく少量ずつ摂ることが大切です。特に、1日1~2回の食事でまとめて食べる習慣がある方は、3回以上に分け、適量を摂取するよう心がけてください。

水分をしっかり摂りましょう
GLP-1ダイエット中は、普段よりも意識して水分を多めに摂取することが大切です。特に、便秘の予防・解消を目的とするため、水やノンカフェインのお茶をこまめに飲むことをおすすめします。
もし水分補給をしても便秘が解消されない場合は、便秘薬を処方いたしますので、お気軽に当院スタッフまでご相談ください。また、酸化マグネシウムを含む非刺激性の便秘薬であれば、市販薬をご利用いただくことも可能です。

バランスの良い食生活を意識しましょう
GLP-1ダイエットでは厳しい食事制限は必要ありませんが、健康的な減量のために食事内容の見直しは欠かせません。
お菓子やジャンクフードの摂取を控え、カロリーを意識した食事を心がけましょう。糖質はできるだけ控えめにし、たんぱく質やビタミン、ミネラルを多く含む野菜、海藻類、豆類などを積極的に摂ることをおすすめします。
また、食事の際には炭水化物を摂る前にサラダを食べたり、水を飲んだりする習慣を取り入れると、血糖値の急上昇を防ぎ、より高い効果が期待できます。こうした小さな工夫が、投薬後のリバウンド防止にも役立ちます。

有酸素運動を習慣にしましょう
GLP-1ダイエットの効果をより高めるために、ランニングやウォーキング、水泳などの有酸素運動を積極的に取り入れましょう。特に、30分以上継続できる運動が理想的です。
筋トレを習慣にしている方もいるかもしれませんが、激しい運動は一時的に低血糖を引き起こす可能性があるため、過度な負荷は避けましょう。
運動の基本は【歩く】こと。一般的に、20分以上のウォーキングで体脂肪がエネルギーとして使われ、脂肪燃焼が促進されます。健康的なダイエットのために、1日8,000歩を目標に歩くことをおすすめします。

過度な飲酒を控えましょう
GLP-1は膵臓から分泌され、インスリンの分泌を調整するホルモンです。そのため、治療中に過度な飲酒をすると膵臓に大きな負担をかける可能性があるため注意が必要です。
特にビールやカクテルは糖質が多く、カロリーも高いため控えましょう。もし飲酒する場合は、ウイスキーや糖質オフのサワーなど、比較的カロリーの低い選択肢を選ぶことをおすすめします。
監修医情報

理事長・院長 佐々木良輔
略歴
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2006年
浜松医科大学 卒業
徳州会病院で救急・総合診療研修 -
2008年~2010年
藤田保健衛生大学皮膚科学 助教
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2010年~2011年
大同病院皮膚科 勤務
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2011年~2013年
藤田保健衛生大学皮膚科学 助教
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2013年~2015年
刈谷豊田総合病院 皮膚科 勤務
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2015年~
藤田保健衛生大学皮膚科学 客員助教
あつた皮ふ科・美容皮膚科クリニック(旧:あつた皮ふ科クリニック)院長
資格・所属学会
- (一社)日本専門医機構認定皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 中部支部代議員(2016年~2023年)
- 日本皮膚科学会 東海地方会評議員(2016年~2022年)
- 藤田医科大学皮膚科学 客員助教