尋常性乾癬とは
乾癬でお悩みの方は
当院で適切な治療をご提案いたします
乾癬(かんせん)は、盛り上がった赤い発疹ができ、表面に銀白色の皮膚がボロボロと剥がれ落ちる皮膚疾患です。この病気の90%以上の患者が「尋常性乾癬」と呼ばれるタイプに該当し、発疹は主にこすれやすい部分、例えば頭部、肘、膝、手のひら、足の裏に現れやすいです。乾癬の特徴として、皮膚の発疹に加えて、耳垢が多くなる、爪に凹みができる、または爪が厚くなるといった症状も見られることがあります。 乾癬は大人になってから発症することが多く、約50%の患者にかゆみが伴うことがあります。ただし、かゆみをほとんど感じない場合もあります。乾癬は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、慢性的に経過する病気です。乾癬が直接内臓疾患を引き起こすことはありませんが、乾癬の方は脳や心臓の血管系の病気の合併率が乾癬でない方と比べて高いと言われております。名古屋市で今の治療で満足していない乾癬の症状で名古屋市で繰り返す乾癬でお悩みの方は、一度当院までご相談ください。
乾癬の原因
はっきりとした原因はまだ詳しくわかっていませんが、免疫細胞の異常をきたしやすい体質の人が、環境ストレスなどの刺激を受けることで、乾癬が発症するといわれています。 乾癬を発症している人は、皮膚の一番表面の部分にあたる「角質」を作る機能が活発化していることが明らかになっています。 このように免疫に異常をきたしやすい体質の人が、感染症や生活習慣病、薬剤、ストレスなど外的因子の影響を受けることで、乾癬を発症させるのではないかと考えられています。
当院の乾癬治療
通常、外用薬からスタートします。 これに内服薬、紫外線療法を加えた3つ(外用療法、内服療法、光線療法)が基本的な治療法です。 2010年からは、これらの治療法で十分な効果が得らえない場合、副作用などで内服薬が使えない場合には生物学的製剤を用いた治療が使えるようになりました。
外用療法
ステロイド
治療の中心となる薬剤は、炎症を抑え、主に赤みやかゆみを軽減する効果があります。この薬剤は即効性があり、症状の緩和が早く感じられます。ただし、長期間使用する場合には、副作用に十分留意する必要があります。
活性型ビタミンD3
この薬剤は、皮膚をつくる機能の亢進状態を抑える働きがあります。外用を継続することで、長期間にわたりきれいな肌の状態を保つことができますが、効果が出るまでには少し時間がかかることがあります。なお、ステロイド外用薬と活性型ビタミンD3外用薬を混合した薬もあり、症状や生活形態に応じて最適な薬を選択することが可能です。
ブイタマークリーム
ブイタマー(一般名:タピナロフ)は「AhR調整薬」と呼ばれる種類の薬剤で、2024年10月から処方可能となりました。今までに無かった、全く新しいタイプの外用薬です。
皮膚の細胞内にある芳香族炭化水素受容体(AhR)にタピナロフがくっつくことにより受容体を活性化させ、さまざまな遺伝子・タンパク質の発現を調整し、皮膚の炎症を抑えます。
全く新しい機序の薬ですので、他の薬との比較はこれから検討は必要ですが、長期間外用しても副作用の心配が少なく、当院で使用中の患者様を診察していると皮膚の赤みを抑える効果もかなり高い印象をもっております。
内服療法
シクロスポリン
この薬剤は、過剰な免疫作用を抑える働きがあります。使用中は定期的な血圧測定や血液検査が必要です。
アプレミラスト(商品名:オテズラ)
2017年に発売された薬です。過剰に働く免疫を抑える作用により症状を改善します。従来の免疫抑制剤とは異なり、免疫を抑えすぎることは無いため、長期使用による副作用の心配が少ないです。
デュークラバシチニブ(商品名:ソーティクツ)
2022年に適応になった薬です。TYK2阻害薬という今までになかった新しい種類の生物学的製剤の内服薬です。他の生物学的製剤の中では効果に対し副作用の発現率が低かったウステキヌマブ(ステラーラ)のような薬のため、飲むステラーラと例えらるように生物学的製剤の中では特に使用しやすいため外用薬や紫外線療法で治療が難しい方に適しております。ただし、初回導入前に、スクリーニング検査のため総合病院への受診を必要です(それぞれの患者様の事情に応じて紹介先を探します)。導入後の維持療法は当院でも行うことが出来ます。
紫外線療法
ナローバンドUVB
この治療は、過剰な免疫作用を抑える働きがあります。外用療法で十分な効果が得られない場合に行われ、広範囲に症状がある場合には光源ランプを用いて、週に1~3回、全身に紫外線を照射します。ただし、紫外線照射により日焼けや色素沈着が起こることがあります。
エキシマ
この治療は、過剰な免疫作用を抑える働きがあります。外用療法で十分な効果が得られない場合に行われ、症状が一部分のみの場合には、患部に集中的に紫外線を照射します。ただし、紫外線照射により日焼けや色素沈着が起こることがあります。
生物学的製剤
この治療は、過剰な免疫作用を抑える働きがあります。外用療法や内服薬(1~3)の治療で十分な効果が得られない場合に検討されます。当院では抗IL-17抗体のトルツ、コセンティクス、ビンゼレックスを採用しておりますが、最近では効果が高く・副作用が比較的少ないトルツを選択すること多いです。※治療開始前には胸部CTの撮影を総合病院で行う必要があります。
当院は乾癬治療における生物学的製剤の使用を日本皮膚科学会より許可された認定施設です。
よくあるご質問
ステロイド外用薬には副作用はありますか?
ステロイド外用薬を漫然と使い続けると、皮膚が薄くなったり弱くなったりすることがあります。決められた容量、用法で使うことが大切です。
乾癬は完治する病気ですか?
乾癬は慢性で発疹を繰り返し作りますが、発疹が完全に消え、自然消褪する患者様も多くいらっしゃいます。
日常生活での注意点はありますか?
規則正しい生活と、バランスのよい食生活が大切です。乾癬が悪化しますので、カロリーの取りすぎには注意しましょう。ストレスも乾癬の大敵です。一般的に日光浴はおすすめですが、紫外線で悪化する場合もあるので、過度に行わないように注意してください。
スキンケアはどうすれば良いですか?
精神的なリラックスの意味でも入浴はおすすめです。ゴシゴシ洗いは悪化の原因になるので、身体は優しく洗います。肌に刺激を与えないよう、刺激の少ない素材の衣類を選ぶことも大切です。乾癬に対するスキンケアで有効な方法は明らかではありませんが、最近では保険適応のあるヒルドイドクリーム外用が症状を改善させるという報告もあります。
乾癬は遺伝しますか?
乾癬になりやすい体質は遺伝する可能性がありますが、その割合は4~5%とそれほど高くありません。乾癬の発症には体質だけでなく、ストレスや食生活など外的因子の影響も絡んできます。体質が遺伝したからといって、必ずしもお子様が乾癬になるとは限りません。
監修医情報
理事長・院長 佐々木良輔
略歴
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2006年
浜松医科大学 卒業
徳州会病院で救急・総合診療研修 -
2008年~2010年
藤田保健衛生大学皮膚科学 助教
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2010年~2011年
大同病院皮膚科 勤務
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2011年~2013年
藤田保健衛生大学皮膚科学 助教
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2013年~2015年
刈谷豊田総合病院 皮膚科 勤務
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2015年~
藤田保健衛生大学皮膚科学 客員助教
あつた皮ふ科・美容皮膚科クリニック(旧:あつた皮ふ科クリニック)院長
資格・所属学会
- (一社)日本専門医機構認定皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 中部支部代議員(2016年~2023年)
- 日本皮膚科学会 東海地方会評議員(2016年~2022年)
- 藤田医科大学皮膚科学 客員助教