ニキビあとは治せるのか
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年も皆さまのお肌のお悩みに寄り添った診療や情報共有をしていきたいと思っています。よろしくお願いします。
さて今回は悩ましいニキビあとについてです。
ニキビの治療のとき『ニキビあとができてしまうととても大変だから早めに治療しよう!!』
と口をすっぱくしてお話します😠
ニキビ治療はニキビあとの予防のため!!と言っても過言ではない・・・そのくらいニキビあとは作りたくないものです。
では、ニキビあとができてしまったらあきらめるしかないのか💦
そんなことはないハズ・・あなたに治したいという強い気持ちがあれば希望の光は見えてきます✨
ニキビあとの治療についてご説明していきましょう~😊
しこり(肥厚性瘢痕やケロイド)
これってニキビあとなのかな~と悩むこともあると思います。
ニキビあとに明確な定義はないと思いますが、ここでいうニキビあとは『急性期の炎症は落ち着いてもなお残っているもの』とします。
『1か月前にできたニキビの跡が~』と相談に来られる方もおられますが、この段階ではまだニキビ自体の改善で消えていくことが期待できるのでニキビの治療が優先です。
完全なニキビあとと判断するのは多くは3か月~半年経過してからです(くすみ以外)。
どんなニキビあとがあるのか分類してみましょう🧐
ニキビが治った後、くすみだけは早くからできます。早くて2週間くらいから。
ニキビの強い炎症が落ち着いた後残る茶色いシミのようなものです。新しいニキビができなければ半年~1年程度で消えてくれますのでニキビあとと言っていいのか微妙なところですが、慢性的にニキビを繰り返しているとなかなか消えず、肌全体もくすんで見えることもあります。
基本的には皮膚のターンオーバーと共に改善していくので新しいニキビを作らないことが治療の根本です。ニキビ治療はベースでしっかりとやりましょう。ニキビの治療についてはこちら
※白矢印がくすみ、赤い炎症を持った部分も混在している
▶くすみの治療
①ピーリングイオン導入
ニキビ治療にもなりくすみの改善にも効果あり。5回程度行うと肌が明るくなります。この治療を行うとそもそもニキビ炎症後のくすみができにくい!
②ハイドロキノン
くすみにはハイドロキノン!ゆっくりの治療ですが自宅で手軽にできるのも魅力です。
③ビタミンC内服・外用
ビタミンCにはそもそも脂性肌を改善させ、ニキビのできにくい肌に整えてくれる作用があります。さらに美白効果にも優れ一石二鳥なのでぜひ取り入れておきたい✨
ニキビの炎症による赤みとは異なり、炎症が収まっていても消えない赤みのこと。ニキビができてから3か月程度経過していても消えない場合は跡になってしまった可能性が大。ニキビの炎症が長期間続いたことで周辺に毛細血管が発達してしまった状態です。この状態だと自然に消失することは期待できません。
※ニキビはすでにない状態で赤みのみ。
▶赤みの治療
①VbeamⅡ
赤みと言ったらコレ!!治療効果で右に出るものなし、と個人的に激押し。ヘモグロビン(赤血球に含まれる赤い色素)をターゲットに発達した毛細血管をたたきます。5回程度やると、多くの方が効果を実感してくれます。
②BBL
VbeamⅡのダウンタイムや痛みがつらい、という方にはこちらも・・・
シミなどを作るメラニン、赤みをつくるヘモグロビンの両方に効果のある光を照射します。赤みだけではなく、全体的に肌を均一な色調に整えてくれるという意味ではgoodです。シミも気になる30代以上の方ならこっちのほうが満足度は高い。
③イオン導入
再び登場イオン導入。ニキビの炎症が収まったすぐくらいの、跡か炎症か悩むくらいのやつにはこれでもいける!導入するトラネキサム酸、ビタミンCは炎症を抑える効果があるので早く炎症を改善させてくれて、毛細血管の発達を阻止してくれます。ニキビがあるころからスタートするといいことづくめ👌
クレーターなどと言われるニキビ跡。皆さんがイメージするニキビ跡はこれですよね。
ニキビあとは治すが難しい、と言われるのはこのへこみのことです。
皮膚の真皮層にまで及ぶ強いダメージが加わると修復がうまくいかずへこみとなってしまいます。箱のようにへこんだボックススカー、小さく深いアイスピックスカー、なだらかにへこむローリングスカーなどの種類があります。
▶へこみの治療
①フラクショナルレーザー
ニキビのへこみで来院される方は皆さんクレーターにはフラクショナル、とご存じの方も多いです。
皮膚に敢えて細かい傷を作りその修復過程でスムースな肌の再構築を促します。
治療が難しい凹みですが、そんな中でも回数を重ねれば着実に効果が出る治療。ダウンタイムや回数などの点で覚悟は必要。
当院ではエルビウムYAGレーザーというレーザーを使用しています。他にもCO2レーザーなどのフラクショナルレーザーが存在します。
②マイクロニードル治療
やっていることはほぼフラクショナルと同じです。こちらは細かい針で皮膚に穴をあけて治療します。レーザーが苦手、また薬剤を皮膚にしみこませる組み合わせ治療をご希望という場合にはこういった方法もあります。
しこりは強い炎症が起こったニキビの傷を修復するときに過剰に繊維が形成されてできます。
手術後のケロイドは予防が大事なのと同じで、しこりができてきたと思ったら早めに受診していただき対処するのが大切です。皮膚の伸展などがかかる部位がリスク大で、顔だと口の近く、フェイスラインなどにできやすいです。
※胸のニキビ跡
▶しこり(ケロイドや肥厚性瘢痕)の治療
①ステロイド含有テープ貼付(エクラープラスター)
ふくらみが出てきた場合はステロイド含有の貼付薬を用いると効果が高いです。3か月ほど治療して効果がなければ②に進みます。3~6か月の貼付により改善を認めることが多いです。
②ステロイド薬の局所注入
治療の第2段階として注射治療があります。
局所の炎症を抑え細胞を委縮させる作用があります。盛り上がりに対して直接薬液を注入します。
①ニキビができたら早く治す。
ニキビは早期治療がとても大切。
私が診療していて多いと思うパターンが、中学生くらいからニキビはできていたものの医薬部外品などで対処していて、大学生や社会人になって初めてクリニック治療が有効と知り来院、という流れ。ですが、この頃になるとすでにニキビ跡になってしまっています。
とはいえ中高生が自分でクリニックに来る決断をするのは実際難しいでしょう。そこでやっぱりご両親が気にかけてあげるのが大切です。ニキビ跡治療で来られる若い世代の方たちは本当に悩んでいます。もっと早くに治療していたら、、、と思うことも。治療費もニキビ跡のレーザーに比べたら安いもんです。全国のお父さんお母さんがこの記事で少しでもお子さんのお肌を気にかけてあげてもらえるきっかけになればと思います。
②髪の毛・マスク、頬杖などNG!とにかく触らない。
ニキビの悪化要因の一つに摩擦があります。できる限り避けることが大切!炎症のあるニキビを触って無造作に潰してしまうと逆に傷が大きくなってしまう可能性もあります。
③洗顔は1日2回、できればピーリング入り!!
ニキビ肌の方は基本は脂性肌です。ピーリング剤は化粧品の部類でも含まれているものがありますからこういったものもうまく活用しましょう。
④化粧品はノンコメドジェニックテスト済は常識
化粧はしないほうが良いですが、そうはいきませんという場合は最低でもノンコメドジェニックテスト済を使ってください。
⑤紫外線対策はニキビにも
ニキビの悪化要因の一つとして紫外線があります。炎症のあるニキビに紫外線が当たるとその後高確率で強いくすみを引き起こします。シミ・しわ対策としてはもちろん、紫外線はニキビにも悪!
ニキビ治療初めての方は保険適応のあるお薬から⇒保険治療を希望の方はこちら(当日順番予約)
早く治したい方、保険治療では効果がなかった方、ニキビあとの治療希望の方は自費診療⇒まずは美容カウンセリングであなたに合った治療を提案いたします。予約はこちらから(日時予約)
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