こんにちは。

暑くなってきましたね~

 

そろそろ肌の露出も多くなってきたけど、今年は脱毛も始めたしカンペキだぜ!!😎(前投稿参照)

と、ふと自信満々に二の腕を触ってみると、、、

『なんかザラザラしとる~~~😨😨😨』

なーんて人、いませんか??(え、いない?)

洗い足りない?なんて考えて自分でゴシゴシ洗ったりして赤くなっちゃったりしてません??

それ、もしかしたら【毛孔性苔癬】かもしれません。

気にしだすと止まらない肌のざらつき、、、そんな毛孔性苔癬が今回のテーマです!!


目次

・毛孔性苔癬とは

・治療

・生活習慣で気を付けること


【毛孔性苔癬とは】

とてもよくみられる疾患で、受診していない人も含めると相当の数がいそうな毛孔性苔癬。

実は遺伝的な角化異常による良性の疾患です。

また、アトピー性皮膚炎、肥満なども発症に関連すると言われます。

症状が強い方だとざらつきが広範囲に広がったり、炎症を起こして赤くニキビのようになったり、、意外と辛いです。

 

▶好発部位

二の腕の外側、肩、お尻、太ももの外側によくできます。男児に多い頬や耳の前にできるタイプも。

▶症状

好発部位に毛穴に一致した非常にちいさな(0.5mm未満くらい)丘疹と言われるブツブツ・ザラザラがたくさんできます。場合によっては炎症を伴い毛孔に一致した赤みを呈したりもします。

▶経過

幼稚園から小学生くらいから出てきて、思春期に最も悪化します。その後年齢を重ね30代以降は自然に消退することが多いです。

▶病態

組織を見ると毛穴が拡大していてそこに角栓がたまっている状態を認めます。毛穴周辺の周辺の皮膚は過角化(皮膚のターンオーバーが早くなっている状態)により分厚くなっています。

▶間違いやすい疾患

ニキビ・・・一部ニキビのように炎症を伴うことがあり症状が似ています。

マラセチア毛包炎・・・赤みを帯びた小さな発疹がたくさん発生し、よく似ています。

 

【治療】

良性の自然消退するものなので、何となく様子見や優しめの治療で済ませる事が多い毛孔性苔癬なのですが本人にとっては辛い症状です。

優しめの治療で気長に治療するのか、副作用なども受け入れ積極的に治療するのか、といったスタンスや症状の強さで方針が異なります。

①尿素クリーム

角質を柔らかくして除去しやすくするクリームです。保険適応となります。

病態からわかるように、本質は毛孔にたまった角栓とその周囲の角化が原因なのでこれらを取り除きやすくする治療となります。

尿素は市販のハンドクリームなどに含まれる成分であることからわかるように安全性の高い成分であり、気軽に始められる治療でしょう。

反面、効果も緩やかなので症状が軽めの方向けです。

ケラチナミンコーワクリーム-20-50g-10-興和 – 歯科材料お買い物サイト メイプルショップ

②サリチル酸ワセリン

保険適応のある優しめのピーリング剤です。

①の尿素クリームと同様に保険適応がありますのでまずはこの2剤のどちらかから始めるのがおすすめです。

③ピーリング・イオン導入

ピーリングは表面の角質を溶かして除去します。当院ではサリチル酸マクロゴール(30~40%)を使用しています。

炎症を抑えるイオン導入をセットで行うことができますので炎症を伴う、赤みがある方にもおすすめです。

施術中軽度のヒリヒリ感が出たり、施術後一時的に軽度赤み・乾燥を伴う場合があります。

これらの副作用は軽度ですので比較的安全な施術となります。

ピーリング・イオン導入について詳しくはこちらでチェックしてください。

④アゼライン酸外用

ご自宅で塗るだけでできるピーリングです。

アゼライン酸はピーリングの中でも乾燥やひりつきを起こしにくい優しいピーリング剤です。

副作用を少なく、手軽に始めるピーリングとして有用です。

一部の方に乾燥やヒリヒリ感、赤みを生じる可能性もあります。

⑤トレチノインクリーム外用

トレチノインは自宅で使用できるピーリング剤のうちピーリング作用が強い成分です。

2週間~症状の改善が見込めます。

赤みやかさつきが出る方も多いですが、その分効果も他の治療に比べ高いと言えます。

他の治療で改善しない場合や症状が強い方向けです。

レチノイドは外用だけでなく内服も効果があると言われます。

⑥ヴェルヴェットスキン(マイクロニードル+マッサージピール)

近年人気の美肌治療ですが、皮膚の凹凸や毛穴の改善に有用なので毛孔性苔癬にも効果を期待して一部用いられるようになりました。

マイクロニードルで皮膚に細かい穴をあけ、その後ピーリング成分を含む有効な薬剤を浸透させます。

1回の治療でも効果を実感される方が多いです。

新しい治療なので効果の持続期間などはっきりとしたデータはないですが、他の治療が無効の方にはおすすめの治療です。

 

⑦脱毛

毛孔性苔癬の症状改善を期待して脱毛を行うこともあります。

どこまで関連しているか不明ですが、少なくとも毛孔性苔癬の症状がある部位を剃毛などすると、炎症を引き起こしてしまうといった問題はあるでしょう。

ですから、特に毛の自己処理をしている場合、私は脱毛をオススメしています。

当院の脱毛について詳しくはこちら

 

【生活習慣で気を付けること】

・保湿

角質を滑らかにすることは有用と言われています。尿素クリームによる保湿効果は最大限利用しましょう。

・正しい洗浄

ゴシゴシこすり肌を傷つけたり乾燥をさせたりするのは良くないですが、優しく丁寧に洗浄することはおすすめされています。

▶アミノソープ・スキンピールバーなどのピーリング含有洗浄剤を使用してみる

たまった角質を適切に除去することは症状の改善につながります。

肌を傷つけず過度な角質を取り除くために、ピーリング成分の入った洗浄剤を使用することは治療の補助として有用と思われます。

・刺激しない

ひっかいたり、剃毛などで刺激すると炎症を起こしてしまいますので注意しましょう。

・湿疹や肥満の改善

アトピーや肥満が症状に関連していると言われています。アトピーの症状があるのであればその治療、肥満に対しては適度な運動や食事制限など行うことは結果的に毛孔性苔癬の症状が出にくくなるかもしれません。

 

【最後に】

毛孔性苔癬のように良性のものに対しての治療はどこまで行うかは本当に自分次第!!

どこまで気になるのか、どこまで治療したいのか、どこまで頑張るのか、は人それぞれです。

効果のある治療がいくつかあること、それに伴い副作用もあること、きちんと知ってからそれぞれが選択してもらえるといいと思います。

 

文責:あつた皮ふ科クリニック副院長 佐々木侑里子

あつた皮ふ科クリニックの保険診療受診、美容カウンセリングはこちら

あつた皮ふ科クリニック