こんにちは~

突然ですが昔、個人的な友人から相談をうけたことがありました。

『10代のころからある目の下のクマがひどいの』

お化粧でクマを隠した彼女の顔を遠慮がちにみると、凹みはなさそう…ん-🙄

目の下は皮膚が薄いので寝不足などで血流が滞ったせいのくすみ??

と思い、その時は生活習慣の乱れなどの指摘をして終わりました。

 

翌日、落ち着いて考えると『あざ』である太田母斑の一種をクマと間違いやすいを思い出しました。

後日、彼女にこの疾患のことを話したのですが、すぐにお返事できなかったことで地に落ちた信頼を取り戻すことはできず😨😨😨

以降これについて相談されることはなくなってしまいました😞💦💦💦

そんなにが~い思い出の『太田母斑とその仲間』が今回のテーマです。

 

ABNOMsを含むお顔のシミでお悩みの方はこちらもチェックしてください。


・典型的な太田母斑

・太田母斑の仲間 ABNOMs(後天性両側性太田母斑様色素斑)/ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

・太田母斑の治療

・太田母斑やその仲間と間違いやすい疾患

・最後に


【典型的な太田母斑】

典型的な太田母斑は額・眼瞼・頬に広がる片側性の青あざです。

太田母斑

この条件に当てはまればほぼ間違いなく太田母斑ですし、診断を迷うこともないでしょう。

出生時~生後間もなく発症するのが一般的で、アジア人に多く、また女性は男性の約5倍と言われます。

太田母斑は自然消失はありませんので治療が必要となります。

 

【太田母斑の仲間 ABNOMs(後天性両側性太田母斑様色素斑)/ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)】

典型的な太田母斑とは異なり、左右ほぼ対象に出現する太田母斑の親戚があります。

出現する部位は太田母斑と似ていて額・眼瞼・頬ですが、色調は太田母斑よりも薄く、左右両方に出るのが特徴。

太田母斑様にべたっと広がるものもあれば、一つ一つ小さい点状の色素斑がパラパラと散らばったようなものもあります。

額・眼瞼まで広がっていたり、青っぽさが強ければ診断はつきやすいですが、

頬のみ、目周囲のみなど限局しているものも珍しくなく、色も茶色っぽいと他の疾患と見間違うこともしばしば。

発症年齢は10~20代と太田母斑よりもかなり遅めと言われます。

導入の友人はこちらではないかと思っています(実際には見ていないので不明ですが)

レーザーをすればきれいになるのに!!!と悔やまれるうぅ😢

 

【太田母斑の治療】

太田母斑もABNOMs/ADMもどちらもレーザー治療が有効です。

当院ではQスイッチルビーレーザーを用います。

 

治療回数・治療期間:おおよそ3~6か月間隔で3~5回程度(個人差あり)

リスク・副作用:レーザー照射時の痛み、照射直後の赤み・水ぶくれ・内出血(1週間程度)、一過性の色素沈着、色素脱失など

【太田母斑やその仲間と間違いやすい疾患】

⓵肝斑

肝斑はとても多い疾患なので両頬上部にあるくすみはほぼほぼ肝斑

でも油断していると紛れ込んでいるABNOMs、、、、😱

・30代以降に出現(20代はまれ)

・眼窩(骨のない部分)は避けてできている

・日焼けなどに影響を受けやすく色の濃い時期・薄い時期がある

・色が茶色で青っぽさはない

といった点がABNOMsとは異なります。

肝斑の症例

②シミ(日光黒子・老人性色素斑)

顔にできる色素斑は全部シミと思ってしまいそうですが、実はあざかも~!!

・30代以降に出現

・基本的にはアシンメトリー(シミの好発部位は左右対称に見えることもありますが、出現時期がずれることが多い)

・境界がはっきりしている

・色は茶色で青っぽさはない

といった点がABNOMsとは異なります。

日光黒子の症例

③雀卵斑/そばかす

パラパラと散ったようなABNOMsとの鑑別に要注意です!

・学童期から出現

・一つ一つが1~2mm台であることがほとんど。(ABNOMsは5mm~程度で大きめ)

・色はうす茶色で青っぽさはない

といった点がABNOMsとは異なります。

 

④クマ

クマは目の下のくすみ全体を表す言葉なので原因はさまざま。

その中の一つにABNOMsがあります。

・額や頬、上まぶたにも色素がある場合はABNOMsの可能性大

・10代から色素がある

・どの角度からでも色が確認できる(影ではない)

・色が青っぽいならよりABNOMsっぽい(茶色もあるので否定はできない)

・日内変動がない

これらを満たすならABNOMsでレーザーが効くかも!皮膚科へGO!!

目の下のたるみや脂肪組織の突出部の影でできるクマ

【最後に】

導入の友人で何が悔やまれるって、レーザー数回すれば太田母斑やABNOMsは薄くなるのにってことなんですよ💦

そばかすやシミは同様にレーザーで消えることが周知されているので、結果的にOKかもしれないのですが

クマや肝斑って生理的問題とか、治療が難しいと思ってあきらめてしまっていることが多いですよね、、、😞

もしかしたら違う診断になるかもしれないのですが、一度皮膚科で相談されると思いがけず長年の悩みが解決するかもしれません。

この記事があの友人や、同じように悩んでいる方々に届いて~🐥

 

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文責:あつた皮ふ科クリニック副院長 佐々木侑里子

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