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アトピーの保湿剤はどう選ぶ?ヒルドイド4種類の違いと使い分けを皮膚科医が徹底解説!

日常生活に支障をきたすほど、アトピー性皮膚炎の「止まらないかゆみ」はつらいものです。

このかゆみや湿疹を悪化させる主な要因は、「①汗」「②乾燥」「③ストレス」の3つと言われています。これらは日々の生活で避けられないものだからこそ、医学的根拠に基づいた正しいセルフケアが欠かせません。

中でも「保湿」は治療の基本ですが、季節や肌の状態によって最適な剤形は異なります。

今回は、皮膚科医の視点から、乾燥をコントロールするための『正しい保湿剤の選び方と使い分け』を分かりやすく解説します。

アトピー性皮膚炎の治療について最新の情報はこちらをご覧ください。

1.アトピーのかゆみを抑える秘訣は「乾燥」のコントロール

アトピー性皮膚炎のかゆみを抑えるのに重要なのは「乾燥」対策です。 乾燥した肌はバリア機能が低下し、少しの刺激でも強いかゆみを感じやすくなります。

一方で「汗」などからくるベタつきを放置することは、肌に刺激を加え湿疹を悪化させるケースも少なくありません。かゆみの連鎖を断ち切るには、単に潤いを与えるだけでなく、季節や活動量に合わせてこれらを上手にコントロールすることが不可欠です。

2.保湿剤の2大分類|モイスチャライザーとエモリエントの違い

保湿剤は、その働きによって大きく2つのグループに分けられます。

  • モイスチャライザー(水分を補う)
    ヘパリン類似物質や尿素のように、肌の内側に水分を抱え込む成分です。
  • エモリエント(水分を閉じ込める)
    ワセリンなどの油分で肌の表面に「蓋」をし、水分の蒸発を防ぎます。

アトピー治療では、この2つを組み合わせることが基本です。そして、医療現場で「モイスチャライザー」の代表として最も多く処方されるのが『ヒルドイド(成分名:ヘパリン類似物質)』です。

ヘパリン類似物質の適応

ヒルドイドやその類似品の有効成分であるヘパリン類似物質には高い保湿効果があります。

 

アトピー性皮膚炎などの乾燥性湿疹を引き起こす疾患の場合はとても良い適応

 

また血行障害に基づく疾患にも効果があります。

 

最近の研究ではヒルドイドにはアトピー性皮膚炎における正常発汗を促す作用があることがわかりました。

代表はヒルドイドですが、他にもさまざまなヘパリン類似物質が出ています。幅広く選択肢があるのはありがたいですね!!

 

3.ヒルドイド4種類の剤形とヘパリン類似物質外用泡状スプレーの使い分け

「ヒルドイド」には、使う部位や季節に合わせて選べる4つのタイプ(剤形)があります。成分は同じでも、テクスチャーや「水への強さ」が異なるため、症状に合わせた選択が重要です。

またヘパリン類似物質外用泡状スプレー(ポーラファルマ)はどのヒルドイドの形態にも当てはまりませんが、今回はこちらも一緒にご紹介します。

ヒルドイドソフト軟膏(油中水型)


クリーム基剤で油分が多く、肌を保護する力が最強です。

特徴:油分の中に水分を閉じ込めているため、保湿効果が高いです。水で洗い流されにくく、刺激も最小限です。

おすすめ:冬のひどい乾燥、湿疹が重度な時、肌がデリケートな乳幼児、刺激に敏感な肌

ヒルドイドクリーム(水中油型)


軟膏とローションの「いいとこどり」をしたタイプです。

特徴:軟膏より伸びがよく、皮膚への浸透性が優れています。

アトピー特有の「汗をうまくかけない(発汗障害)」症状を改善する効果が最も高いとされています。

おすすめ:軟膏のベタつきが苦手な方、発汗障害がある方

ヒルドイドローション(水中油型)


乳液状で、さらっとした使い心地が特徴です。

特徴:水分が多く広範囲に塗り広げやすいため全身ケアに向いています。髪の毛が生えている頭皮に使用してもベタつきにくいです。

おすすめ:夏場の乾燥対策、頭皮ケア、広範囲に塗りたいとき

ヘパリン類似物質外用泡状スプレー


名前の通り泡で出てくるタイプです。

特徴:使用感はローションに近いですが、泡状なので液だれしにくく、手のひらで素早く広げられます。

おすすめ:朝の忙しい時間、べたつきを嫌うお子様、湿疹が落ち着いているとき

ヒルドイドフォーム


ローションよりもさらに水分量が多くなっています。

特徴:非常に軽い泡で、塗り広げた瞬間にスッと肌に馴染みます。とにかくベタつかず、使用後の肌がさらさらに仕上がります。

おすすめ:真夏の大量に汗をかく時期、ベタつきがどうしても苦手な方、素早く全身を保湿したい時。

製剤名 剤形 基剤タイプ 特徴
ヒルドイド®ソフト軟膏 軟膏 油中水型(W/O) 被覆性に優れ、しっとり感が強い。乾燥が強い部位に適する。
ヒルドイド®クリーム クリーム 水中油型(O/W) 展延性が良く、べたつきが比較的少ない。日常使用しやすい。
ヒルドイド®ローション ローション 水中油型(O/W) 展延性に優れ、広範囲の患部に塗布しやすい。
ヒルドイド®フォーム フォーム(泡) 水性 広範囲に素早く塗布でき、塗布時に白色の泡となる。
ヘパリン類似物質外用泡状スプレー 泡状スプレー 水性 噴霧後に泡状となり、手を汚さずに塗布できる。広範囲・背部などに使用しやすい。

 

4. 知っておきたい「ヒルドイド」の適正使用と処方のルール

ヒルドイドはあくまで皮膚疾患を治療するための「医薬品」です、医師は患者様の症状から診断にもとづき、治療に必要と判断した場合、適正な量を処方します。

健康な肌への日常的な保湿目的や、美容目的での使用は不適切使用となり、このような使用が増えると本当に必要な方への処方ができなくなることも考えられます。

処方された人以外が使うことがないようにしましょう。

5.【美容目的の方へ】皮膚疾患がない場合の乾燥肌対策とおすすめ

疾患がないのに保険診療での処方を希望することはできません。しかし、乾燥対策自体は美肌のために重要です。当院では、健康な肌のバリア機能を高めたい方へ、医療機関専売のスキンケア製品をご提案しています。

あつた皮ふ科クリニックがお勧めする保湿剤「DRXパーフェクトバリア」

「DRXパーフェクトバリア」は、保湿力が高いだけでなく、ベタつきを抑えた非常に優れたボディミルクです。アトピー経験者の方でも使いやすい低刺激設計となっており、日々の「予防スキンケア」として自信を持っておすすめできる製品です。

 

もちろん、ドラッグストアで買える市販品にも素晴らしいものはたくさんありますが、もし「自分に合うものがわからない」「より高い効果を求めたい」とお悩みであれば、お気軽に当院へご相談ください。お一人おひとりの肌質に合わせた最適なケアを一緒に見つけましょう。

アトピー性皮膚炎の治療について最新の情報はこちらをご覧ください。


6.まとめ 〜気になったらお気軽にご相談を〜

アトピー性皮膚炎の「かゆみ」はとてもつらいです。
かゆみの原因のひとつ、乾燥対策を適切に行うことは、アトピーの症状に悩まされることなく日常をおくる第一歩です。

「保湿剤を使用したほうがいいのか?」「自分に合った保湿剤はどれか?」などお悩みの場合はぜひ皮膚科で医師にご相談ください。


執筆・監修者紹介

執筆者 鷲見侑里子

【執筆】

医師 鷲見 侑里子
藤田医科大学医学部卒業
美容皮膚科医として10年以上の経験。
最新の知見に基づき、美容医療をわかりやすく解説します。

監修者 佐々木良輔

【監修】

院長 佐々木 良輔
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
あつた皮ふ科・美容皮膚科クリニック理事長。
専門的な視点から内容を監修しています。