暑い日が続きますね。

夏の感染症の一つに手足口病があります。

毎年多くのお子さんが来院されますし、何度も感染して慣れっこな保護者の方もちらほら。

それくらい、手足口病は一般的で多い感染症です。

今回は、手足口病の基礎知識と、2018年の夏の動向は!?といった気になる情報をご紹介します。

手足口病について

手足口病は夏に流行するウイルス感染症で、幼児を中心とした小児に多く感染します。

(夏以外にも多くはありませんがかかることがありますし、大人も少ないですが感染します。)

症状は手・足・口を中心に水疱性発疹が出現し、熱は出ないか出ても軽度なことが多いです。通常は症状は3~7日程度で消失します。

原因となるウイルスはさまざまなものがありますが、コクサッキーA16、コクサッキーA6、エンテロウイルス71がメインです。

ポツポツと発疹が出ること以外は症状も軽度だし、心配はいらないなーと油断してしまいますね。

しかし注意したいのは、原因ウイルスによって稀に髄膜炎などの重篤な合併症を伴うことがあるということです。

今年は特にこの『重症化』に注意が必要です!!!!

 

2018年の手足口病の特徴

近年、典型的な症状ではなく、水ぼうそうに似たような様々な部位に大きめの水疱がでる手足口病が多く見られていました。これはここ数年多かったコクサッキーA6による手足口病の特徴でした。発症数週間後に爪脱落が生じるのも特徴です。

では気になる2018年はどうでしょう??

先日の小児皮膚科学会での報告によると今年はエンテロウイルス71が多く出ているようです。

エンテロウイルス71は、典型的な手足口病の症状を呈しますが、稀に重症化して髄膜炎などの合併症を起こすことがあるのが特徴です。

手足口病と診断を受けた時にはぜひお子さんの様子に注意してください。

 

感染後の対応

学校や園は熱や発疹の症状が落ち着き、元気になれば登校できます。

感染源は便などで、感染後1カ月程も排出され続けます。

長期ウイルスを排出し続けることと、そもそも感染に気がつかない場合も多々あるため、感染者を隔離するのは現実的ではありません。きちんと手洗いをして感染予防に努めましょう。

感染したお子さんの便などにはウイルスが含まれますので処理には十分注意してください。

合併症の警戒や、感染を広げないための対策のためにも早めの診断が大切です。

夏の発疹や気になる症状はおはやめにご相談ください。

あつた皮ふ科クリニック