プールとアトピー性皮膚炎
前回の『汗とアトピー性皮膚炎』ではスポーツを思いっきりした方がいい!という話でした。
夏のスポーツと言えばお子さんも大好きなプールですね。
プールは『塩素などの刺激で肌には良くないのでは?』と不安に思われる親御さんもいらっしゃるかもしれません。
しかし、実はアトピー性皮膚炎の患者さんにおすすめのスポーツは水泳なのです!!
汗をかいてもプールの水ですぐに洗い流される点で『汗とアトピー性皮膚炎』でご紹介した汗との上手な付き合い方ができるスポーツと言えます。
また、刺激になると思いがちな塩素もアトピー性皮膚炎に良い作用が期待できるのです。
(とはいえ、塩素水に刺激を感じる場合は無理をしないようにしましょう。初めて入る場合はご相談下さい。)
※塩素水とアトピー性皮膚炎 塩素水がアトピー治療に!?
アトピー性皮膚炎の悪化には誰の皮膚にでも存在する黄色ブドウ球菌が関係していると言われており、この黄色ブドウ球菌を抑えるために、世界的には塩素水に浸かるという治療(ブリーチバス療法)もあるくらいなのです。
ブリーチバス療法:次亜塩素酸ナトリウムを溶かしたお風呂に入浴するアトピー性皮膚炎の治療法です。国内ではまだ研究段階ですが、海外ではガイドライン(治療指針)にも掲載されている、信頼性のある治療法です。(症状を見ながら医師の監視のもと行われる治療ですので、ご自身の判断で塩素水に長時間浸かったり、ご自宅で実践したりしないようにしてください。)
《プールに入る際の注意点》
まず、日焼け止めなどの日焼け対策後、プールの水に含まれる化学物質から肌を守るため、エモリエント剤で肌を保護します。
水泳後はシャワーなどでプールの水をしっかり落としましょう。
再度エモリエント剤を塗布し、涼みましょう。
※エモリエント剤とは?
肌の成分が蒸発しないようガードし、肌を柔らかくする油溶性の成分のことです。
その後も汗をかく状況なら、あせもの予防のために汗の出口を塞がない保湿剤を選ぶことも大切です。
保湿剤は生活習慣や体質によってご自身に合ったものを選ぶことが重要です。
詳しくは診察時にご相談ください。
夏休みは正しい知識を身につけ、思いっきりプールで遊びましょう。
アトピー性皮膚炎の情報はこちらにも掲載しています。
http://atsuta-skin-clinic.net/atopic.html