手足のブツブツ 掌蹠膿疱症
先日、おしむら歯科の押村憲昭先生と大同病院耳鼻咽喉科部長の小串善生先生とお食事に行ってまいりました!!
(左から 押村先生、佐々木、小串先生)
皮膚科、歯科、耳鼻科が関連する病気といえば!!!
掌蹠膿疱症です。
掌蹠膿疱症という病気をご存知でしょうか?
あまりなじみのない病気ですが、意外と患者数は多いのです。
掌蹠膿疱症は、皮膚科、歯科、耳鼻科と3つの科にまたがる疾患で、科同士の連携が治療のカギ となります。
押村先生、小串先生とのお食事会では、3人で掌蹠膿疱症患者様の治療を積極的に行っていく掌蹠膿疱症同盟(!?)を結んできました!!!\( ‘ω’)/
真面目な会だったんですよ
というわけで、今回は掌蹠膿疱症について詳しく説明いたします。
目次
掌蹠膿疱症とは
なぜ歯科と耳鼻科の連携が必要??
掌蹠膿疱症の診断
掌蹠膿疱症の治療
掌蹠膿疱症は治る??
メッセージ
掌蹠膿疱症とは
掌蹠膿疱症は皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気で、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します。
皮疹は小さな水ぶくれ(水疱)が生じ、次第に膿を持つようになります。
その後、かさぶたとなり、角層(皮膚の最表層にある薄い層)がはげ落ちます。後にこれらの皮疹が混じった状態になります。
この皮疹はかゆみを伴い、症状が悪化すると痛みも伴います。
そして、なぜか鎖骨や胸の中央(胸鎖肋関節症)やその他の関節が痛くなることがあります。
なぜ歯科と耳鼻科の連携が必要??
それは、掌蹠膿疱症の病気の原因が関係しています!!!
実は掌蹠膿疱症は、その詳しい病気のメカニズムは分かっていません。
しかし、明らかになっていることもあります。
扁桃腺や歯の慢性炎症が原因となっていること(これが最も多い原因と言われている!!!)
金属アレルギーが原因となることがあるということ
です!!
(その他の原因として喫煙もあげられます。)
自覚がなくても耳鼻科や歯科で治療をしてもらうことで、掌蹠膿疱症の症状が改善することがとーっても多いのですΣ(゚Д゚)
また金属アレルギーが原因の場合には歯科で金属の交換を行うことで症状がよくなることもあります。
ここまで読めばお分かりと思いますが、掌蹠膿疱症はうつりません!!!(これ大事 )
掌蹠膿疱症の診断
手足にできる掌蹠膿疱症に似た湿疹は他の病気でもできるため、見分けることが大切です。
掌蹠膿疱症に似ている病気
・水虫
・乾癬
・異汗性湿疹
・好酸球性毛包炎
・接触性皮膚炎
これらはそれぞれその症状や検査(真菌検査、パッチテスト、採血など)で見分けます。
関節症や扁桃腺炎、う歯などがあればより掌蹠膿疱症が疑わしくなりますね。
最終的には皮膚生検をして確定診断となります。
掌蹠膿疱症の治療
皮膚科では湿疹に対して、ステロイド外用、活性型ビタミンD3外用やエキシマレーザーの治療を行います。
また、原因検索のため金属アレルギーに関しては皮膚科でパッチテストというアレルギーのチェックを行います。
歯科金属でアレルギーが見つかった場合は歯科で金属を交換してもらいます。
同時に…
歯科と連携して、う歯や歯周囲炎のチェックと治療
耳鼻科と連携して、扁桃摘出手術の検討
を行っていきます。
また喫煙者の場合は、禁煙指導をします 。
掌蹠膿疱症は治る???
実は!!!
耳鼻科での扁桃摘出手術が掌蹠膿疱症の治癒に大きく関与していることが分かってきました\( ‘ω’)/
最近では扁桃摘出手術を行った90%以上の症例で症状が改善した、という報告もあります
歯科治療や金属交換も含め、かなりの方が治療によって改善する、ということになります。
初期段階で早めに原因検索・治療を行うことで、早期の改善が見込めるということです
とはいえ、はっきりとした原因が見つからず、また扁桃摘出手術を望まれない場合などもありますね、、、
このような場合でも平均で3年から7年で自然に治ると言われていますので
それまで対症療法で症状を軽くして、生活する上で支障がないようにコントロールしていきましょう。
メッセージ
さて、
掌蹠膿疱症は専門家による診断が必要なこと
だらだらと外用だけで治療するだけではなく、まずは原因検索をして治療方針を医師と一緒に決めていく必要があること
わかっていただけましたか??
今回、押村先生や小串先生のように協力してくださる医師に巡り合えたことは本当に幸運でした。
あつた皮ふ科クリニックでは、二人の先生がたとともに、掌蹠膿疱症の治療を積極的に行っていきます。
また今後、どの患者さまもスムーズに3科が連携した治療を受けられるようにするために
全国の皮膚科医、歯科医、耳鼻科医の先生方にこの輪を広げていくことが佐々木の目標です
疑わしい症状がある場合はあつた皮ふ科クリニックにお気軽にご相談ください!!