こんにちは~

最近、ブログを看護師さんと2人で書いていくことになり、とてものんびりの更新となったこちら医師ブログです😘★

さて、今回はどのお母さんも一度は疑問に思う(と勝手に思う)『給食エプロンのアイロンいる?』問題について考えてみたいと思います。

というのも実はこの給食エプロンをアイロンにかけなければならない理由の一つにアタマジラミ症という皮膚科疾患があるのです。

そこでアタマジラミとはなんぞや?ということ、なぜアイロンが必要なのか、本当に必要なのかということについて

小学生ママ×医師の視点で考えていきたいと思います。


・私個人の経験談(日本の給食エプロン事情とアタマジラミ経験)

・アタマジラミとは

・アタマジラミの治療

・アタマジラミの感染経路と予防

・給食エプロンのアイロン問題について学校側と保護者の間に立って考えてみる


【私個人の経験談~日本の給食エプロン事情とアタマジラミ経験~】

日本の給食エプロン事情

日本の小学生を経験した人ならご存知、給食エプロンはみんなで交代で使用します。自分が使用したものは自宅に持って帰り、それぞれのご家庭で洗濯し次の子に回すというエコなシステム👏👏

その際に必ずアイロンをしてください、というルールになっています。

でもお母さんたちは忙しい…昨今のワイシャツはノーアイロン加工が施され、家庭のアイロンはもはやこの給食エプロンでしか使用しないレベルですし、ますます面倒くさいですよね💦💦

実は私もエプロンを子供たちが使わせていただくようになってからはや8年目ですが、最初は子供が使うものにアイロンでピッシーする必要あるんかいな😤(そりゃそうしたほうが好ましいだろうが、めんどくささ尋常じゃないんですが…)と思っていました。

ところがある日、『アイロンをかけるのは見た目キレイにする目的ではなく、アタマジラミが移るのを防ぐ目的なのでサボらないように』といった内容のほけんだよりを子供が持って帰ってきたのです。

なるほどー。。。😞

今のところ、それなら仕方ないかと大人しく8年以上アイロンをかけております。

アタマジラミ体験

①長女、保育園通園中アタマジラミが園で流行したことがありました。園が具体的にどんな対処をしていたかちょっと忘れてしまったのですが、とにかく感染していない我が家にも流行が知らされ、見つかったらすぐ知らせて!的なお達しはあったような気がします。意外と身近です。

②小学生になった娘、ある日娘の髪にドライヤーを当てていると何やらフケのようなものが…とよーく見るとなんとアタマジラミ😱😱ぞわぞわぞわー!!すぐに薬局に走りました。

どうやら体育でマット運動が始まったばかりだったようで、そこからの感染と予想。小学校の先生にもすぐにお伝えしたのですが、ちょうどコロナのために互いの接触を控えると決まったころで、特にアタマジラミ対応はありませんでした。

 

【アタマジラミとは】

ヒトジラミ科で体長2㎜~4㎜ たまごは1週間で孵化し、さらに1~2週間で成虫となり4~5週間の寿命となります。 頭に寄生、乳児、学童期の女児に多いです。

成虫は生涯200~300個のたまごを生むとのことで、たとえ清潔にしていてもいったん頭についてしまうと一気に増殖してしまいます。

 

特に季節性はなく、ひとたび誰かが寄生されると所属する集団児童に瞬く間に広がります。

保険患者様を多く診察されている伊佐美医師によると、クリニックには忘れたころにドバっとやってくる・・・😱とのことです。

【アタマジラミの治療】

成虫、幼虫はシャンプーなどで簡単に落とせるそうです。子供がしっかり洗うのは大変なので大人が洗ってあげるのが大切です。

たまごは髪にしっかりついていて洗い流すだけでは落ちないため、幼虫になるのを待つか、目の細かいブラシで物理的に梳いて取る、という方法があります。

これらが徹底出来れば10日ほどでサヨナラ~👋👋

また、必須ではないですが、0.4%フェノトリン(スミスリン®)シャンプーは駆除剤として有効で、使用方法を守って使うと駆除できます。薬局に売っているもので簡単に手に入ります👍中に一緒に梳き櫛がついているので併用すると最強ですぜ!!

👆私もスミスリン®を購入しました。中に丁寧な説明書と櫛もついているので、パニック状態の親御さんの心の安定にも役立ちます🤭🤭

※実はクリニックで処方できるようなお薬や処置はありません…来院されても診断のみになります🧐なのでご自身で『コレ絶対アタマジラミやん!』て思えるなら受診は必須ではありません

※とはいえ、成虫や幼虫を見つけるのは動くので結構大変です。ポイントは襟足や耳の後ろにたくさん髪に付着しているたまごを見つけること。

卵はイラストのように髪にこぶのように付着して簡単には取れません。フケは髪を一周覆うように付着しているのでよく見ると見た目が異なります。

 

【アタマジラミの感染経路と予防】

頭から頭に移ることの他に、人から離れて数日は生存しているので、ものを介してもうつります。

よく挙げられるのはクシ、タオル、帽子、マフラー、衣類、寝具などの共有、マット運動など直接間接的に接触するような体育授業などです。

予防方法で大事なのは情報の共有です。

アタマジラミはすごく頻繁にあるようなものではないです。集団の誰かに寄生していることが分かったらすぐにその集団には周知し接触やものの共有を避ける各々が寄生されているかもしれないという気持ちで注意し、寄生を早い段階で見つけ早期駆除する。ということをすれば短期間で駆除可能ですし、ピンポン感染などという悲惨なことにはならないハズ👍

また、アタマジラミは成虫、幼虫、卵すべて熱に弱いという性質があります。60℃5分以上の加熱で死滅するそうです。

頭を加熱するわけにはいかないのですが、触れるものを加熱するのは有効ですよね😏

 

【給食エプロンのアイロン問題について学校側と保護者の間に立って考えてみる】

さて、ここまで見て給食エプロンにアイロンをかけるのは、加熱するという観点からアタマジラミを死滅するのに役立っているということになりますね。

必ず共有するものですから万が一誰かが感染していたら、給食エプロンを介して一気にクラス中に広がりそうですし、やっぱり大切かも😰

いや、加熱方法ほかにもあるやん!

そうです、乾燥機です。その昔、衣類乾燥機はあまり一般的ではなかったかもしれませんが、令和の時代、乾燥機があるお宅も珍しくはないでしょう。

ダンヘルスケアさんのサイトにも有効な駆除方法として

60℃以上のお湯に5分以上つける

衣類乾燥機をかける

アイロンをかける

の3タイプが記載されています。

 

個人的な意見ですが、乾燥機があるなら絶対乾燥機が一番ラク!!

というわけで、私から学校の先生に提案!

『給食エプロンはアイロンまたは衣類乾燥機にかける』にしません??

 

あつた皮ふ科美容皮膚科クリニックは保険診療・自費診療の両方を行っている名古屋市熱田区・中川区から通いやすい皮膚科クリニックです。

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文責:あつた皮ふ科クリニック副院長 佐々木侑里子

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