【追記】

ロゼックスゲルの『酒さ』での保険適応が認められました👏👏👏

数少ない酒さの保険内での治療薬が増え、とても喜ばしいことです✨✨

これまで、当院ではロゼックスゲルを自由診療でお使いいただいておりましたが、今後は保険での処方に切り替えさせていただきます。

 

顔が赤い、火照る、血管が浮き出て見える、、、このような症状がメインの酒さという病気があります。

あたかもお酒を飲んで酔っ払っているような顔の赤みは、想像以上に悩ましい症状です。

今回はこの酒さについてのお話をしたいと思います。

実は悩んでいた赤ら顔が治療できるかも!?

 


目次

・酒さとは

・酒さの分類

・酒さの治療

・生活習慣で気を付けること


【酒さとは】

顔の赤み・丘疹(ぽつぽつしたもの)・細かい血管が浮き出る・何かのきっかけで顔が真っ赤になる、などの症状をメインとした病気です。

色素の薄い白人に多い疾患ですが、日本人にも多く認めます。

大体40代~50代の方に発症し見た目に大きくかかわるため、お仕事などの支障となることもしばしば😥

 

また、他の病気との見分けが難しい点も酒さの特徴と言えます。

赤みが出る皮膚の病気はたくさんあります。特徴的な症状が見られにくい酒さは医療者側からしても他の病気と見誤らないように注意が必要な疾患です。

※ステロイド酒さについて

ステロイド外用薬を長期使用することで、酒さと似たような症状がでることがあります。これをステロイド酒さと呼びます。治療はステロイド外用薬の中止です。

【酒さの分類】

・紅斑・毛細血管拡張型酒さ・・・見た目の症状は顔の赤みのみ。火照り、敏感肌がつよく女性に多い。更年期の症状と重なることがある。

・丘疹・膿疱型酒さ・・・赤みを伴ったニキビに似たぽつぽつとした症状が特徴。

・腫瘤・鼻瘤型酒さ・・・鼻が大きく見える鼻瘤を形成する。男性に多い。酒さに特徴的な症状である。

1490年頃に描かれたドメニコ・ギルランダイオの「老人と少年の肖像画」に鼻瘤の老人が描かれています。

 

【酒さの治療】

酒さは治療法が確立されているわけではありません。ですから、まずは患者様の症状やライフスタイルに合った治療を選択しますが、効果が不十分な場合は他の治療を追加するなどの試行錯誤が必要となります。

 

《紅斑・血管拡張型》・・赤みに対する治療が行われます。

●血管レーザー治療:5回以上の照射が必要となる場合が多い。

▶VbeamⅡ 26,400円~

副作用・リスク:赤み、火照り、むくみ、やけどなど

Vビームについて詳しくはこちらをご覧ください。

 

●IPL治療:5回以上の照射が必要となる場合が多い。

▶サイトンBBLs 初回18,700円

BBLについて詳しくはこちらをご覧ください。

 

《丘疹・膿疱型》・・ニキビのようなぽつぽつとしたできものを対象に治療をします。赤みに対しては《紅斑・血管拡張型》の治療が必要となります

●メトロニダゾール外用:丘疹に有効。内服薬と併用して使用することが多い。※保険適応あり

▶ロゼックスゲル5g 

ロゼックスゲルは2022年より保険適応が認められました!!!

●アゼライン酸外用:ニキビに有効で、酒さの丘疹にも効果がある。内服と併用し、内服治療の補助的役割となる。

▶アゼライン酸クリーム 1,980円

●内服療法:テトラサイクリン系抗生剤、メトロニダゾール、漢方薬などが有効と報告がある。効果が出るまで4週間程度かかる。

 

《腫瘤型》・・鼻瘤の部分を切除します。

●外科的治療:メスでの切除やレーザーで削るなど。

 

【生活習慣で気を付けること】

酒さの症状緩和には患者様本人ができることがあります。

1⃣悪化する原因はできるだけ避けましょう!!避けられないときは、、、

酒さは日常生活の中で悪化因子があります。

何が症状の悪化につながるかは個人で異なるのですが、悪化につながる生活習慣が分かっている場合、避けられるなら避けるのが良いです。

例えば、『お風呂上りに顔が真っ赤になるのが悩みです』という場合は、熱いお湯は避ける、シャワー浴にするなどが解決策となります。

ただし、このような増悪因子の中には完全に避けるのは不可能なものもあります😞

高気温、、、北国移住ですかね。ストレス、、、周りの人に言ってくれ。月経、、、( ;∀;)ハア!?って感じですよね💦💦💦

成書には『増悪因子は避ける』とありますが実際は大変!しかも前述のレーザーなどの赤み治療もこの悪化因子が加わった際の赤みまでは治療対象外なのです。

ですから、個人的には〇〇したときは顔が赤くなる、ということをある程度受け入れていく、という寛容さも大切だと思います。周囲の人が理解してくれているとなおよいでしょう。

《考えられる増悪因子》

紫外線、高気温、ストレス、激しい運動、アルコール、香辛料、熱い食べ物、特定の化粧品や医薬品、お風呂、月経など。

 

2⃣スキンケアは丁寧に。

また、酒さの症状を緩和させるためにスキンケアもとっても大切です。

基本はこの3つです(`・ω・´)

・洗顔

1日1~2回、30℃前後のぬるま湯で低刺激性の洗顔料を用います。しっかり泡立てこすらず優しく洗い、タオルは摩擦を避けて押し当てて拭きましょう。メイククレンジングを使用する際も低刺激性のもので優しくなじませるように洗いましょう。

・保湿

乾燥肌は刺激を受けやすい状態ですので、乾燥を避けるため洗顔後は保湿剤を塗布しましょう。刺激が少ないものを選びます。

▶低刺激性保湿剤 DRXパーフェクトバリア 顔用/体用 各1,650円

・紫外線対策

紫外線は酒さを悪化させることが知られています。紫外線対策は最も重要な治療の一つです。

日傘や帽子、日焼け止めクリームの使用は必須です。日焼け止めクリームも低刺激性のものを選ぶ必要があります。SPFの高いものは刺激が出やすいので、日常生活ではSPF20~30を選び、十分な量をこまめに塗りなおすよう習慣づけましょう。

▶低刺激性ノンケミカル日焼け止めクリーム 2,750円

 

3⃣メイクを利用しよう

実は患者様の苦痛を取り除く目的でメイクは非常に重要な役割を果たします。

赤みは緑や黄色の下地で隠れやすく、またポイントメイクで目をそらすなどの手段も有効です。その際は低刺激性の化粧品を選ぶことも忘れずに。

 

【最後に】

酒さはニキビや湿疹に似ているため、間違って治療されているケースもあります😱

長い間治療受けているが一向に良くならない、一時的によくはなるが薬をやめられない、などでお悩みの場合は一度治療を見直す必要があるかも、、、

(もともと受診されたクリニックの先生が悪いわけではなく、治療効果がない、という情報もふまえてようやく正しく診断できる場合が医療ではたくさんあるのです。後医は名医という言葉が示す通りです。)

赤ら顔でお悩みの方は一度あつた皮ふ科クリニックでご相談ください。

 

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文責:あつた皮ふ科クリニック副院長 佐々木侑里子

 

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