玉袋に黒いブツブツしたできものを見つけたら、「なんの病気だろう?」「原因は何だろう?」「性病では?」「このまま放置しても大丈夫?」と不安になりますね。
「心配だが、受診するのが恥ずかしい」と感じる方も多いと思います。
実はそれは「陰嚢被角血管腫(いんのうひかくけっかんしゅ)」という良性の腫瘍かもしれません。性病(感染症)ではなく、放置しても命にかかわるものではありませんが、自然に消えるものでもありません。
この記事では陰嚢被角血管腫に関するさまざまな疑問について当院医師が詳しく解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.陰嚢被角血管腫(いんのうひかくけっかんしゅ)ってどんなもの?
【写真:陰嚢被角血管腫(いんのうひかくけっかんしゅ)】
特徴
陰嚢被角血管腫は、簡単に言えば玉袋の皮膚にできる青紫~黒色の小さなブツブツとした血豆(血管腫)です。
性病(性感染症)や悪性腫瘍ではないため、過度に心配する必要はありません。
男性だけではなく、女性の陰部に出来ることもあります。(陰核被角血腫) しかし、女性が発症するのはやや稀です。
症状
痛みやかゆみなどの自覚症状は通常はなく、できても気づかず放置している方も少なくありません。
まれに表面がカサカサしてカサブタみたいになったりすることもあります。擦れたり、掻いたりすると出血することがあります。
健康上の大きな害を及ぼすことはありません。いわば「見た目だけ」の症状であり、命にかかわる問題はありません。
2.陰嚢被角血管腫の原因
陰嚢被角血管腫ができる原因は解明されていません。
高齢の方によく見られますが、10代で発症する方もいらっしゃいます。年数が経つと徐々に数と大きさが増えていくことが多いです。
女性の場合は、妊娠による静脈圧の更新や女性ホルモンによる血管拡張作用なども要因と考えられているようです。
3.陰嚢被角血管腫は放置しても大丈夫か?
結論から言えば、陰嚢被角血管腫は良性の疾患なので、放置して経過を見るだけでも大丈夫なケースがほとんどです。
ただし、以下の場合は速やかに皮膚科を受診することをお勧めします。
- 他の疾患を疑う場合
- 出血を止めたい
4.陰嚢被角血管腫に塗り薬や市販薬は効く?自宅での対応は?
塗り薬や市販薬の使用について
陰嚢被角血管腫(玉袋の黒いブツブツ)を治す市販薬や塗り薬はありません。治療するとすれば医療機関での処置が必要になります。よくある市販薬の「イボ取り薬」(角質を腐食させる薬)などはウイルス性のイボには効果がありますが、陰嚢被角血管腫のような血管病変には効果がなく、かえって皮膚をただれさせる危険があります。
自己判断で市販薬を使うのは避けてください。
自宅での対応と注意点
陰嚢被角血管腫は良性ですが、血管の塊であるため「出血させないこと」が何より大切です。日々の生活では以下のセルフケアを心がけて下さい。
- 優しく洗い清潔を保つ
清潔を保つことは重要ですが、ゴシゴシ洗いは禁物です。石鹸をよく泡立てて手でなでるように優しく洗いましょう。 - 刺激・摩擦を徹底して避ける
患部は非常にデリケートで、引っ搔いたりタオルで強く拭いたりすると、出血することがあります。お風呂上りはタオルを軽く押し当てるようにして水分をふき取ってください。 - 下着の選び方を見直す
締め付けの強い下着は持続的な摩擦となり、出血の原因となります。通気性がよく、肌に優しい面素材などのゆったりしたものを選びましょう。 - 潰さない・刺さない
血豆に見えても自己判断で針を刺したり、市販のイボ薬を塗ったりしてはいけません。激しい出血や化膿を招く恐れがあるため、気になる場合は必ず医療機関へご相談ください。
5.陰嚢被角血管腫の治療方法:レーザー治療
陰嚢被角血管腫は放置可能ですが「見た目が気になる」「出血して困る」という場合は治療で除去することも可能です。
陰嚢被角血管腫の治療法にはいくつか選択肢がありますが、代表的な治療方法は以下のとおりです。
①Vbeam Ⅱ

治療内容
VbeamⅡはヘモグロビンの吸収率が高い593nmの波長のレーザーです。血管腫を除去するのに有効です。
治療後の注意点
赤み内出血ができることがありますが、特別な処置は必要ありません。まれに水ぶくれや潰瘍などできることがあり、その場合はガーゼ処置などを行う場合があります。
②ロングパルスYAGレーザー

治療内容
1064nmの波長のレーザーで、皮膚の深部の血管まで届くのが特徴です。VbeamⅡで改善がない場合は、病変が深部の場合に使用します。
治療後の注意点
赤みや内出血が出ることがありますが、特別な処置は必要ありません。まれに水ぶくれや潰瘍などできることがあり、その場合はガーゼ処置などを行う場合があります。
※当院では、デリケートゾーンのトラブルに対してもプライバシーに配慮し、丁寧に対応しています。
6.治療料金表
※表示金額は全て税込みです<Vビーム(赤ら顔・血管腫 )>
部位 1回 5回(1回あたり) ルビースポット 7,700円 長径~4mm台 9,900円 長径5mm~9mm台 11,000円 以降5mm毎に +5,500円 1.5cm以内 15,000円 65,000円(13,000円) 鼻+鼻周囲 19,000円 80,000円(16,000円) 両頬 26,400円 118,800円(23,760円) 顔全体 33,000円 137,000円(27,400円) 顔全体+首 39,000円 168,200円(33,640円)
※VbeamとロングパルスYAGレーザーに料金は同じです
7.陰嚢被角血管腫の当院治療症例
30代男性


治療内容:VeamⅡ
治療回数:1ヶ月毎に2回照射
総額:71,280円
副作用:治療当日の赤み、痛み、内出血など
まとめ~気になったらお気軽にご相談を~
陰嚢被角血管腫は、見た目に驚くこともありますが、良性の血管病変です。
ただし、「出血が止まらない」「腫れや痛みが強い」「色の変化が広がっていく」
などの場合は、速やかに皮膚科を受診することをおすすめします。自然に症状が改善することは少ないため、見た目を改善したい方も受診をお勧めします。また、出血をくり返す・病変の範囲が広がっているといったケースでは、レーザー治療が有効です。
当院ではVbeamⅡまたはロングパルスYAGレーザーを症状によって選択して治療しております。
気になる症状がある場合は、自己判断せず、ぜひ当院にご相談下さい。
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執筆者紹介
8.参考文献
doi: 10.1055/s-0031-1283790. Epub 2011 Oct 14.
[Therapy for Angiokeratoma of Fordyce with the 940-nm Diode Laser]
Angiokeratoma: a cause of scrotal bleeding
- 日本皮膚科学会 雑誌・ガイドライン
- Clinical Dermatology(臨床皮膚科学)
- 血管腫・血管奇形臨床アトラス(Critical Atlas of Vascular Anomalies)
- 実際の皮膚科臨床に基づく知見
- アトラスでみる 陰部疾患 プライベートパーツの診かた

