『あざ』と一言で言っても、、、 一般的な『あざ』は、母斑(青あざ、茶あざ)や血管腫(赤あざ)といわれるものの一部を総称して呼ばれていますが、明確な定義はなくあいまいです。 比較的頻度が高く、当院で相談を受けることが多い『あざ』には、太田母斑、蒙古斑、扁平母斑などの母斑や、単純性血管腫、乳児血管腫(いちご状血管腫)などがあります。
蒙古斑は多くはお尻に見られる青色のあざで、日本人の新生児の場合90%以上に見られます。大人になるにつれて色調は薄くなり自然に消えていきます。 一方、おしり以外の部位にできる蒙古斑に関しては『異所性蒙古斑』と呼び、この場合は自然に消えにくい傾向にあり、治療が望ましいと考えます。特に治療開始が出生後早いほど効果が高いと言われています。
Qスイッチレーザーによるレーザー治療が有効です。 自然に消える可能性が低いと思われるものに関して治療を行います。 3か月以上の期間をあけて1~5回程度照射します。 保険適応が認められています。
境界明瞭で色調の均一な茶色のあざで、体のどこにでできます。 自然に消失することはありませんが、有効性の高い治療法がないのも現状です。部位や形で治療効果が高いと予想されるものもあります。また治療開始は出生後早い方が効果が高いと言われています。
Qスイッチレーザーによるレーザー治療は保険適応が認められています。 1~2回の治療を行います。 消失または薄くなるケースは0才は60%、1才で40%、成人では5~20%といわれ、異所性蒙古斑は後述の太田母斑と比較して改善率が低いのが現状です。多くの場合0才で治療を開始します。 1度照射してみて効果があるようなら3か月後に追加照射をします。
顔の左右どちらかに、目を中心にまぶた、ほほ、額が青色を呈し、そこに青~褐色の小点が広がるあざです。 女児に多く、1歳ごろに出る場合と思春期に出る場合があります。 いったん発症すると自然に消えることはありません。 治療は小児でも大人でも可能ですが、小児期のほうが治療効果が高いです。
Qスイッチレーザーによるレーザー治療が有効です。 3カ月以上の期間を空けて2~5回程度照射します。 保険適応が認められています。
生後すぐにみられる平坦なピンク色のあざです。顔面に多く自然に消失することはありません。レーザーは生後治療開始が早いほど有効性が高いです。成長とともに腫瘤と言って膨らみを帯びてくるものもあります。 ※サーモンパッチ:額や唇の中央にできます。1才前後で自然に消えることが多いですが、残る可能性もあります。1才になっても残存する場合は治療をおすすめします。 ※ウンナ母斑:首の後ろにできる赤あざです。半数は成人しても残存します。目立つ場合は患者様とご相談の上治療を行います。
色素レーザーが有効です。 3か月おきに1~10回程度治療を行います。 レーザー治療は保険適応が認められています。
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赤色の盛り上がったあざでまるでイチゴのような外観の血管腫です。生後まもなく発症し1才前後まで大きくなり、その後7歳ごろまでに多くは消退します。 以前は治療の必要がないと言われていましたが、多くの場合消退後に赤みや瘢痕を残すことがあるため、近年は整容的な観点から積極的に治療を行うことが多くなりました。レーザー治療は生後早期の大きくなる前からの治療が望ましいと言われます。 目の周囲や口唇、耳周辺の血管腫は合併症発症の恐れもありますので、後述する高度な医療機関での内服治療が必要となります。
色素レーザーが有効です。 3か月おきに2~7回程度治療を行います。 レーザー治療は保険適応が認められています。 膨らみが強く大きい場合、急激な増大がみられる場合、合併症発症の可能性が考えられるのもはより高度な医療機関での管理下で内服治療(ヘマンジオルシロップ)が必要となります。その場合は近隣病院への紹介となります。 ※主なご紹介先:藤田医科大学ばんたね病院、愛知医科大学病院
生後4か月のお子様の手首のいちご状血管腫の症例です。Vビームを2回照射し、10か月後の写真です。
ふくらみもなくなり、血管腫の赤みがなくなっていることが確認できます。
生後4か月のお子様の後頚部の母斑の症例です。
髪の毛で隠れて目立たない部位なので治療を希望されない方がいる一方、比較的成長しても残る部位なので気になる場合はレーザー照射を希望される方も多くいらっしゃいます。レーザー希望の方も完全に髪の毛で隠れる部位までは照射せず、髪をアップしたときに外に出る部位のみ照射することも可能です。
正しい情報と確かな治療で、患者様の健やかなお肌を守るお手伝いができれば幸いです。少しでも気になるところがあれば、ぜひ当院までご相談ください。