〒454-0047
愛知県名古屋市中川区中野本町2丁目44番地

月曜~土曜日まで毎日診療しています
※木曜日は保険診療のみ
※日祝日、年末年始除

ブログ BLOG

足のうら・手の指のイボ【尋常性疣贅】

さて、今回は再診される患者様で最も多い、と言っても過言ではない『尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)』(ウイルス性イボ)について😶

基本的な治療と、早く治す(通院回数を減らす)コツなどをご紹介したいと思います。

症例写真

尋常性疣贅とは

尋常性疣贅は、ウイルス感染が原因となるいわゆる『イボ』です。

ウイルスが原因となる『イボ』はたくさんあり、『尋常性疣贅』はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染でできます。

手足によくでき、最初は豆粒程度の大きさですが数が増えるとくっついて大きく見えることもあります。

大人でもできますが、患者様の多くは小児です。

ヒトからヒトへ直接感染したり、プールや銭湯などで間接的に感染することも多いと報告されています。

また、皮膚バリアが破れた部分(微細な傷など)からウイルスが感染するため、

調理の仕事など、手がふやけたり傷がつきやすい職業の方にできやすいともいわれます。

 

尋常性疣贅の見分け方

尋常性疣贅はほとんど見た目で診断できます。

一部紛らわしいのは、足の裏の『タコ』『魚の目』です

こちらもよくある疾患ですが、簡単な処置をするとすぐに見分けることができるので、どちらか分からず不安な場合は一度来院いただければすぐに診断ができます。

 

尋常性疣贅の保険診療

保険診療は3つの治療法があり、すべて組み合わせて治療できます。

液体窒素療法

現在、尋常性疣贅のメインの治療法で、1~2週間に1回のクリニックの処置となります。

患部を急激に冷却することでウイルス感染の細胞を破壊させます。

痛みがあるためお子さんには少し辛い治療なのと、頻回の通院が必要になるのがデメリットです。

スピール膏・サリチル酸外用

塗り薬・貼り薬になります。

1日1~2回の処置を継続し、少しずつ表面から分厚くなった角層をはがしていきます。

液体窒素療法と組み合わせることがほとんどです。

 

ヨクイニン内服

漢方薬で、いぼに効果があります。こちらも液体窒素療法と併用することがほとんどです。

 

保険適応外の治療法

上記の保険適応のある一般的な治療の他に効果があることがわかっている治療法があります。

【日本皮膚科学会 尋常性疣贅ガイドライン】でも推奨される当院で行っている治療方法についてご紹介していきます。

保険の治療では痛みなど負担が大きい方
少しでも早く治したい方
保険の治療を行ってきたけどなかなか良くならない方
に治療を切り替えたり、保険の治療と組み合わせたりして治療効果をあげることができます。

ロアキュタン内服

ロアキュタンはビタミンA製剤となります。

角化を抑える効果があり、内服で全身に効くので多発例に特に推奨されます。

小児・妊婦には使用できません。

タガメット細粒内服

胃薬としておなじみのお薬ですが、免疫を強化する効果があり、尋常性疣贅に有効です。

局所免疫療法(SADBE)

軽度のかぶれを作る過程で発生した免疫細胞を利用してウイルスを攻撃します。

かぶれを作るのでかゆみや紅斑などがでるリスクがあります。

活性型ビタミンD3軟膏外用

皮膚の角化を改善します。被覆材で覆うことでさらに効果を高めます。

5g800円 ※被覆材1枚200円別途必要となります。

Vbeam(血管色素レーザー)

血管を標的にしたレーザーで、ウイルスの栄養血管を破壊します。

特に他の治療で改善が乏しいケースに行います。

ベセルナクリーム

免疫を強化する塗り薬で、他の治療で効果が乏しいケースで使用します。

料金:1包1500円

トレチノインクリーム

分厚くなった角層を表面からはがします。

妊娠中は使用できません。

料金:5g 3,500円

手術・炭酸ガスレーザー

手術かレーザーで直接イボを切除する方法もあります。

こちらは傷を作り、患者様に負担が大きいため、他の手段が無効の場合に提案することになります。

炭酸ガスレーザー

 

最後に|あつた皮ふ科美容皮膚科クリニックのご案内

こどもによく見る『イボ』ですが、どの世代でもできますからライフスタイルや副作用によって治療選択するのが望ましいでしょう。

基本の保険治療の他にもたくさんの治療法があります。

また、保険治療だけでは治癒までの期間が長いものも、組み合わせ治療を行うことで治療期間が短縮できたり

ある治療法では改善がなくても、手を変えることで軽快することもよくあります。

ぜひ柔軟に治療選択をしていただいて、負担なく治療をできるといいですね。

あつた皮ふ科美容皮膚科クリニックの一般皮膚科受診の順番予約はこちら


参考文献
日本皮膚科学会”尋常性疣贅ガイドライン”chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/yuzei_gl2019.pdf(2025/7/10)