尋常性白斑

尋常性白斑とは

尋常性白斑 イメージ

尋常性白斑とは、皮膚の色素がなくなることから皮膚の色が白く抜けてしまう病気をさします。色素が脱色するのは、身体の皮膚どこでも生じる可能性があり、髪の毛や口の中にも脱色の症状が出現することもあります。 皮膚や髪の毛の色は、メラニンと呼ばれる色素でつくられています。尋常性白斑では、メラニンを生成する細胞(メラノサイト)が何らかの原因で減少・消失し、発症すると考えられています。尋常性白斑そのもので生命に危険がおよぶことはありませんし、他人に病気が広がることもありません。 しかし、見た目の影響から、患者様は精神的なストレスを感じることになります。患者様のQOL(生活の質)をあげる治療の進歩が強く望まれる病気です。

尋常性白斑の原因

「メラニン」と呼ばれる色素の量が皮膚の色を決めています。メラニンは、皮膚の表皮に存在する「メラノサイト」と呼ばれる細胞によって作られています。尋常性白斑では、何かしらの原因でメラノサイトが減少・消失し、充分な量のメラニンが作られなくなることで発症すると考えられています。

症状

尋常性白斑では、皮膚の色が白く脱色する症状があらわれます。身体のどの部位の皮膚にも脱色症状をみることがありますが、特に日光に当たりやすい手や足、顔、唇などに初発症状をみることが多いです。特に手の病変は難治です。 また、口腔内や鼻の粘膜にも脱色の症状が出ることがあります。さらに網膜にも脱色症状が生じることがあります。脱色の進行を予測することは困難であり、脱色の進行がある程度の段階で止まることもあれば、さらに全身へと拡大することもあります。 尋常性白斑では見た目の問題を生じるところが大きく、患者様のQOL(生活の質)の低下や精神的ストレスを引き起こします。

検査・診断

尋常性白斑は、発症時期や広がり方の白斑の形を確認することから疑われます。ただし、白斑を起こす他の病気もあります(たとえば梅毒や癜風などの感染症、膠原病、甲状腺疾患)ので、必要に応じて検査を行います。癜風は皮膚表面の角質を顕微鏡で確認し真菌の有無を見ます。その他の疾患は血液検査で診断をします。

治療

外用薬、光線療法、内服薬、外科的療法、その他(カモフラージュメイク療法)があります。 ステロイドや活性型ビタミンD3、タクロリムスなどを含む外用療法は、もっとも汎用されている治療方法です。 光線療法とはナローバンドUVB照射療法、エキシマレーザー/ライト照射療法などがあります。

外用とエキシマライトを併用して行うことで有効率が上がるため、併用療法を推奨しております。 急速に拡大する場合は、ステロイド内服を行うこともあります。また近年では、アトピー性皮膚炎の治療薬であるリンボックが尋常性白斑に効果があるという報告もなされています(尋常性白斑に関しては治験中)。またJAK阻害薬のルキソリチニブクリームが現在日本で開発中です。PDE4阻害薬のクリサボロールも期待されている外用薬の一つです。
尋常性白斑の治療については、今後保険適応の新たな内服薬や外用薬が承認されていく見込みです。

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