掌蹠膿疱症は、膿疱と呼ばれる皮疹が、手の平(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くできる病気です。膿疱とは白血球の一種で、炎症反応に関係する「好中球」が、皮膚の最上層の角層にたまった状態です。
慢性的に経過し、周期的に症状がぶり返します。はじめは小さな水疱ですが、次第に黄色い膿疱に変化します。いずれかさぶたとなり、角層がはげ落ちます。これらの皮疹が混在して経過するのが特徴です。皮疹の出始めは痒みを伴うことも多いようです。皮疹の中の液体からはウイルスや細菌は見つからないため、免疫が関係する病気ではないかと推測されています。
また、慢性的に経過する中で、突然、鎖骨や胸の中央の胸鎖肋関節などが痛くなることがあります。掌蹠膿疱症性骨関節炎と呼ばれます。痛みが非常に強く、日常生活が困難になることもあります。放置すると、関節の変形などにもつながるため、適切な治療が必要です。まれな疾患で、比較的中年以降の方に多いようです。